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ベイビーわるきゅーれ2ベイビー ユルさもアクションもマシマシな邦画史上最高の青春殺し屋映画

あらすじ

一緒に暮らしているちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、殺しの腕はピカイチながら社会に馴染めずにいる。
ジムの会費に教習所代、保険のプラン変更など知らないうちに滞納し急遽結構な額の支払いをしなくてはならなくなり、世の中お金がかかることばかりで貯金は減るばかりで、二人はまたしても途方に暮れていた。
一方、殺し屋協会の下請けアルバイトのゆうり(岩永ジョーイ)とまこと(濱田龍臣)兄弟もまた、上からの指令ミスでバイト代をもらえず、正社員ではないからどんなに働いたところで満足いく生活を送れるだけのお金は得られず、やはり途方に暮れていた。
そんな中、兄弟は武器の準備など仲介をしてる元殺し屋の赤木(橋野純平)から、ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できるという噂を耳にする。
滞納金を支払いに行って銀行強盗に巻き込まれたり、謹慎中に着ぐるみのバイトをしたりと、イマイチな生活を送るちさととまひろに、二人のポストを狙うゆうり・まこと兄弟が迫りくる。
社会に馴染めない殺し屋女子コンビを描き2021年に異例のロングラン上映されたアクション作の続編。

感想など

相変わらずボンクラだけどコミュ症は少しずつ直ってきたまひろとせっかちで熱くなりやすいちさとの、延滞金支払いに来た銀行で強盗を撃退したばっかりに謹慎になったり、せっかくのアルバイトや節約生活が上手くいかない中で、ケンカしたり仲直りしたりしながらもやっていく殺し屋生活を、ふたりで一緒にトレーニングしたり、自分でデザート作って食べたり、節約生活するなどの日常生活描写や「サトウのご飯牛丼」「チキンかつ定食」などの食べ物描写、「花束みたいな恋をした」を見た後のまひろとちさとの会話などさらにパワーアップしたちさととまひろの相棒同士の絆が友情からロマンシスの域に達したユルい会話で描かれていて、前作のファンにとっては満足出来る。
さらには、派遣社員のような殺し屋協会の下請けアルバイト殺し屋のゆうりとまことの兄弟の「焼肉を食べる」ことや行きつけの定食屋の看板娘のさくら(安倍乙)をデートに誘うことがささやかな夢なのに、正規の報酬をなかなかもらえず食うや食わずの底辺の暮らしをしながらもへこたれずに頑張っている下請け殺し屋の生活を、食いたいもんが定食屋でなかなか食えなかったりなど世知辛い日常生活描写が、「最強殺し屋伝説・国岡」並みに切実。
銀行強盗とのユーモラスなジャッキー・チェンのようなコミカルアクション、約束を破ったことから始まるまひろとちさとの着ぐるみバトルとより幅広いテイストのアクションに加えて、クライマックスでのまひろ&ちさとvsゆうり&まこと戦は、超至近距離でのスピーディーな銃撃戦と前作での伊澤彩織vs三元雅芸戦をよりパワーアップした伊澤彩織vs岩永ジョーイ戦の壮絶な格闘バトルの中でも、2組のコンビの絆を熱く描き、ひとつ間違えたら同じ道を歩いていたかもしれない殺し屋同士が奇妙な絆を感じつつも裏社会の非情さを感じさせるビターな切ないオチも含めて、いたずらにスケールアップさせずユルい青春殺し屋ものの世界観を深めつつ幅を広げた「ベイビーわるきゅーれ」に「最強殺し屋伝説・国岡」のリアル感と世知辛いテイストを加えた続編。
「青は、遠い色なんだよ」
「定食屋には、価格ごとに壁がある」
「アタシに賭けろ、杉本ちさと」
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