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街の上で フラれたり恋したり、下北沢での何気ない日々

あらすじ

下北沢の古着屋で働いている荒川青 (若葉竜也)。恋人の雪(穂志もえか)に浮気された上にフラれて以来、青は基本的にひとりで行動している。
たまにライブを見たり、行きつけの古本屋で店員の冬子(古川琴音)と「センシティブな話」をしたりや行きつけの飲み屋に行ってマスターと恋愛相談をしたり。
口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。
そんな青の日常生活に、ふと訪れる映画学校の大学生の町子(萩原みのり)から頼まれる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちとの交流を描いた物語。

感想など

下北沢にいるようなカジュアルなイケメンだけど、どこか煮え切らないけどマイペースな青が、下北沢で様々な人に出会い何でもない毎日を生きる日々を、何故か片想いしている相手に彼氏が告白する時の勝負服を選ぶことになる朝子(上のしおり)と彼氏の痴話喧嘩に青が巻き込まれたり、路上喫煙を注意してきたおまわりさんから何故か身の上話を青がされたり、行きつけの古本屋の店員の冬子と青がお互いあまり触れたくない「センシティブな話」をして気まずくなったりするなど、なんでもない毎日の中の変わった出来事が起こるユルい日常が描かれる前半。
青が、大学でアマチュア映画を撮っている町子から自主制作の映画の出演を依頼されてから、撮影現場で知り合った衣装などの担当のイハ(中田青渚)と青が家呑みをしながら恋バナをする中で何かが起こりそうで絶妙な距離感で仲良くなるシーン、そしてクライマックスで青や雪やイハたちがお互いの気持ちをぶつけ合うクロストークなど、今泉力哉監督お得意の割り切れない未練や言えない思いや「好きになり切らないモヤモヤした思い」が交錯するオフビートなラブコメがぎゅっと詰まっていて、こじらせイケメン青を演じた若葉竜也と元カノ雪子を演じた穂志もえかや映画監督の町子を演じた萩原みのりや古書店の店員の冬子を演じた古川琴音やイハを演じた中田青渚など青を取り巻く気の強い不器用な女性たちの対照的なキャラ同士のカラフルな魅力と演技派俳優同士のアンサンブルが、下北沢の街の空気感がリアルな「下北沢」ラブコメ映画。
Netflixで配信中。

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