今日で、311から12年。

今、この国は、本格的な原発再稼働に向けて大きく動き出そうとしている。
40年の稼働リミットを60年に延長して、さらにそれも伸ばそうという話も。

もともと信頼性の薄い複雑なシステムなのに、しかもフクシマ以前にも、幾多の事故を起こしているというのに。

自分が還暦すぎて、もはや若い時のようには体が動かなくなり、あちこち故障も出てきてポンコツ化しているのを実感する身として、細胞の再生メカニズムを持つ生命体だって、経年劣化してくるのに、怪しげで複雑な金属の寄せ集め機械が、いくらメンテナンスをしたって、60年持つなんて考えられない。

60年前のクラシックカーを、高速道路でずっと全開で走らせて、「絶対壊れないから大丈夫」と余裕で運転できる人がいるか？

そもそも、フクシマだって、何も終わっちゃいない。12年経って、故郷に戻れない人はたくさんいるし、廃炉の見通しもついていない。

そして、トリチウム汚染水は、「海は広いから薄めて流せば大丈夫」なんて理屈で放水しようとしている。

今までに、人類は海にいろんなものを捨ててきた。だから、いまさら、海をきれいになんてナンセンスだというのか？　海はゴミ捨て場なのか？

消費をせき立てられて、片っ端から買わされたものは、すぐにゴミになり、パッケージの旅行にせき立てられて、人混みをハシゴする民族大移動で、燃料を大量消費し、買った土産もすぐゴミに。

いつまでそんなことを続けていくんだろうね。

何が楽しいんだろう？　と、自問してみたほうがいいのかもしれない。

消費をせき立てられて手にしたものに、本当に満足しているの？

インスタに上げられた一見見栄えの良さそうなところに行って、誰かとおんなじ写真を撮って、同じようにインスタにあげるのが無上の喜びなの？

そういうことの積み重ねが、膨大なエネルギーの消費につながり、原発を動かして、挙句の果てに、それが吹き飛んだんじゃないの？

311に匹敵する、あるいはそれを越えるような、巨大な地震と津波は、間違いなく近いうちに起こるよ。

それで、何もかもが破滅しても、今がおもしろおかしければ、そんなの関係ねえって？

311のあの恐怖を思い出そうよ。せめて、今日ぐらいはさ。

そして、大自然の前では、人間なんて、人類文明なんて、ほんとちっぽけな存在だということをさ。