忘却と妄信に抗う

(2016年10月8日 日本キリスト教会 四中会青年フィールドワーク報告)

 福島県原町市(現南相馬市)で生まれ、小学5年までをいわき市で過ごし、父の転勤に伴う転居後、高校卒業まで福島市の渡利地区で少年時代を送った自分にとって、5年前の震災が何だったのか、いまだ整理できていない面がある。

 「被災地」として報じられる県内の地名はどれも聞き覚えのあるものばかりだが、しょせん車を持たない高校生の行

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8年後の福島で、なでしこリーグを観てきた

「ジェフユナイテッド市原・千葉レディース対ベガルタ仙台レディース」の試合を福島のJヴィレッジで観てきました。

日本初のナショナルトレーニングセンターで、震災前は「この間、あそこに遠征行ったんだ」と大阪の友人にジマンされるような場所だったJヴィレッジ。震災後は原発事故の対応拠点になり、ピッチがあった場所にプレハブや黒い袋が並んでたところ。2018年から再整備が始まり、2019年4月の今日、グランド

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フクシマからの報告 2019年春    山間部は高線量・海岸部は無人     中心部だけが新築ラッシュ       まるで「復興ショウルーム」のよう

福島第一原発事故で放射能汚染を浴びた福島県の地域はいまどうなっているのだろう。そこに住んでいた人たちはいま、どこで、どうしているのだろう。街は村は、どうなったのだろう。現地を自分の目で見て、当事者たちに会って話を聞く。それを報告・記録していく。それが、私が2011年春からずっと続けている作業である。

 今回も、2019年3月15日〜19日、福島県南相馬市・飯舘村・浪江町などを訪れた。8年間で現地

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1年越しの思いで訪れた飯舘村 その場所で見たものはあまりにも受け入れ難い現実だった

阿武隈山系北部の豊かな自然に恵まれた美しい村『飯舘村』

2019年2月14日、矢嶋一樹さん、近藤祥雄さんと共にこの地を訪れました。

その際、今から8年前に起きた東日本大震災発生当初から

現場へ足を運び続けている

烏賀陽弘道さんの現地取材へ同行させていただきました。

今回、なぜそのような行動を取ったのか

そして現場では何を感じたのか

その様子を御報告します。

【今回、なぜ飯舘村を訪れ

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原発事故避難者の数を少なく見せる   政府の統計のトリック         これは「復興偽装」ではないのか?

<この記事のまえがき>
 福島第一原発事故8年目の2019年3月10日前後に流れるインターネット上の発言に目を通していたら「政府が発表する原発事故避難者の数は減少している。減少した分は、原発事故前の家に戻った」と本気で信じている言説が多数流れていることに気がついた。

 何度でも繰り返すが、これは誤謬である。原発事故前の家に戻れないのに、避難者のカウントから外された人が多数いる。そして、そうした人

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福島を思う-世界のフクシマ-

私は大学3年時に、フランスへ留学をしていた。

そこでの印象的な出来事はいくつかあるが、その中の一つに「福島の話」がある。

私がフランスの友人たちに福島の話をすると、「福島にはまだ人が住んでいるの?」とほぼ100%聞かれた。

福島県の中の、沿岸部にの町にある原子力発電所の事故の話が、海を渡って遠い国では、「フクシマ」という代名詞で、大きく取り上げられる。

外国人にとっては、「フクシマ」が都道

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フクシマからの報告〜2019年冬    佐野ハツノさんをしのぶ        原発事故から8年          事故当時を知る人々が        力尽き・病気になり・亡くなる現実

佐野ハツノさん(冒頭の写真)が亡くなった、とインターネットのニュースで知った。頭をいきなり殴られたような衝撃だった。しばらくパソコンの前で体を動かせなくなった。取り返しのつかない失敗をした。なぜもっと早く会いに行かなかったのだ。自分を責めた。2017年秋のことだ。

70歳。がんだったという。

ハツノさんは、福島県飯舘村で農業を営みながら民宿を開いていた。同村は、阿武隈山地の標高500メートルに

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被曝と宇宙と地球上のカップリングの関係

フクシマの原発事故が起こったのは、宇宙人とコンタクトを取っているアメリカの陰謀だという説がある。

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フクシマからの報告 2019年冬    全村避難解除から2年         自然のつくった氷の芸術は       除染による破壊から無事だった

2019年2月中旬、福島県飯舘村をふたたび訪れた。いつも通り、村の四季の自然をカメラに納めるためである。

厳冬の村は寒かった。最高気温が摂氏0度。日が陰るととマイナス5度以下に下がる。風が強いので、体感温度はもっと低い。「寒い」というより「痛い」という感じだ。刺すような冷気で足先や手指、耳がキリキリと痛い。

2011年3月11日から始まった福島第一原発事故で吹き出た放射性物質のプルーム(雲)で

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