★最近、表紙買いしたマンガ『木洩れ日のひと』が深い!
マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、2024年1月に思わず表紙買いしてしまったマンガである『木洩れ日のひと』(©川端志季/祥伝社)を紹介させていただきます。
木洩れ日のひと 概要・感想
『木洩れ日のひと』は、ざっくりとした概要でいうと「政治家一家の長女として自分で何も決めることを許されてこなかった女子高生の白瀬皓子が、友人から借りたバイクで国民的人気アイドルグループのメンバーであった烏墨真弘を轢いてしまい、10年もの間昏睡状態となってしまった彼のお世話し、烏墨が目を覚ました後も家族とも友人とも言えない不思議な関係の中で心を通じ合わせていく物語」です。
個人的にこの作品を読んだ感想としてテーマをつけるなら「家族:親との関係性で傷ついてきた2人が、後ろめたい気持ちがある中で自分自身を見つけていく」でしょうか?
テーマといっても、これからどんな展開になるのか予想のつかない要素がてんこ盛りなので、どんな物語になっていくか楽しみな作品です。
物語の冒頭、当時未成年だった皓子は人気アイドルの烏墨真弘をバイクで轢いてしまう事故を起こし、即逮捕されて刑務所に閉じ込められると思っていたものの、自宅に閉じ込められました。
それは皓子の家系が3代続く政治家一家であり、未成年の起こした事故であっても相手が誰もが知る国民的アイドルであったことから、参議院議員である父親が謝罪会見を開き、母親からは責任をとって自殺するように迫られます。
政治家一家ということもあり、皓子は生まれたときからこの家に相応しい人間であるように育てられ、自分の意思で何かを選択する機会がない環境で育ってきました。
そんな皓子が母親から自殺を迫られ、死ぬ前に被害者である烏墨へ謝りたいと初めて自分の意思で選択し、謝りに行きたいことを母親に告げ、烏墨真弘の祖母である烏墨マチが営む喫茶店を訪れます。
そこで土下座して謝る皓子の姿を見て、マチは悪いのは道路に飛び出した真弘だと皓子を責めることはせずオムライスを食べさせます。そのときの会話の中で皓子は「今まで人生で自分の意思で何かを選択してきたことがなかったこと」を振り返り、「自分で選んでいいのなら償うために生きていたい」という自身の思いに気づきます。
このあとにどんな展開があったのかは描かれていませんが、きっとこれまで自分の意思を持たず親の言いなりになって生きてきた皓子が、「最後に真弘の祖母に謝罪したい」という初めて自分の意思を伝えたことでマチが皓子を引き留めてたのだと思いますし、皓子は意識不明の真弘をマチと一緒にお世話しながら生きていく道を歩んでいきます。
それから皓子はその贖罪として意識を取り戻さない真弘のもとで、10年もの月日を看病に費やし、マチと一緒に暮らしながら真弘のお世話を続けた結果、奇跡的に真弘は目を覚まします。
真弘が目を覚ます数か月前にマチが亡くなってしましますが、それでも献身的にお世話をした皓子の誠心誠意、心のこもった対応が素晴らしく、交通事故の加害者と被害者の立場も踏まえて、自分にここまでの対応ができるだろうかと考えさせてくれます。
そして真弘が目を覚ましたことで物語の歯車が回り出し、2人の過去も少しずつ明らかになっていきます。
真弘はアイドルとして輝かしい一面があった一方で母親に捨てられた過去や事故の前には芸能界や自分について思い悩みながら深酒をしていていた記憶が思い出され、また目を覚ましたら突然10年間も自分の身の回りのお世話をしていたという人と一緒に暮らしていて戸惑っていました。
それでも真弘は皓子のことを恨んでおらず、むしろ10年間も付き添ってくれていたことに感謝しており、皓子が重い罪を背負い贖罪をし続ける状態から始まった物語は、2人の過去と事故から築かれた関係が相まって今後どのようになっていくのかが気になります。
皓子はマチの生前に一緒に書いていた「やりたいことノート」を引っ張り出し、真弘と一緒にやりたいことをしてこうとまず初めに散歩からスタートします。しかもそのノートの最後のページには真弘の母・希世についての情報が書かれており、会うつもりはなかったものの皓子の家庭環境の話を聞いて、会ってみること決意します。
決意のきっかけとなった皓子の家では、母に愛されたくて毎年誕生日プレゼントを贈っていましたが、毎回捨てられていたという事実が明らかになり、事故当日もそのプレゼントを買いに行っていたときに起こっていたということがわかります…。
真弘は幼い頃に母から置き去りにされたことが今でもトラウマになっていて、お互いに母の愛を知らないという共通点を見つけたことで、2人の絆がより深まったのではないかと思いますし、事故の加害者と被害者という立場であっても長い月日を経て、深い絆で結ばれた2人を見ていると心が温まります。
本巻の最後では自分を捨てた母・希世に会いに行った真弘の心情や希世の嬉しそうな一方でショックを受けている心情が描写されていて、自殺未遂を図るところで助けられる展開に…。
議員の父親のメンツのために娘を殺そうとした家族を持つ皓子と何かしらの理由がありつつも息子を捨てた家族を持つ真弘、そして真弘と一緒に活動していた同じアイドルグループのメンバーたちや家族や仲間の関係性も複雑に絡み合っていそうで、「真弘は10年間のブランクの先でどう生きていくのか」、「皓子と今後はどんなふうに心を通わせていくのか」とさらなる展開が楽しみです。
国民的アイドルが交通事故で意識不明となって10年後に意識が戻ったり、10年間を一緒にお世話した加害者の女性が恋に落ちたり、その女性の実家は闇の政治家一家で彼女は物扱いだったり、アイドルのお母さんはレズビアンだったらしく息子を捨てて現在はパートナーと同居中といった設定が山盛り&超複雑で、今後の展開には期待しかないと思わせてくれる、読み応え抜群&次巻がとても気になる作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!
木洩れ日のひと 名言一覧
いかがだったでしょうか?
学校や会社、その他の組織に所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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