★最近、表紙買いしたマンガ『ノラの家』が深い!
マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、2024年1月に思わず表紙買いしてしまったマンガである『ノラの家』(©夕海/白泉社)を紹介させていただきます。
ノラの家 概要・感想
『ノラの家』は、ざっくりとした概要でいうと「交通事故で家族を失った主人公の青年の平沢実斗は、バンド活動をやっていましたが事故の後遺症で指が動かなくなり家からも追い出され、人手に渡ってしまった家族との大切な思い出が残る家を取り返したいと考え乗り込むと、そこは「犯罪加害者の集うシェアハウス」となり、被害者と加害者がとも共同生活を送るという、社会から居場所を失った者たちによる喪失と再生の物語」です。
個人的にこの作品を読んだ感想としてテーマをつけるなら「平穏を突然奪われた者と奪った者の共存に対する葛藤とそれをどう乗り越えていくのか」でしょうか。実斗の家を買い取りシェアハウスにした浅賀は「相手が加害者であっても受け入れられるほどに、人との繋がりを求められるか?」と実斗に問いかけますが、まさに人をどう線引きするかで捉え方が大きく変わっていきます。
交通事故によって一瞬で家族や夢を失い、大切な思い出が残る家すら手元から亡くなった虚無感や憤りにいきなり折り合いをつけろと言われても無理な話で、実斗の視点で見ていくとシェアハウスの中で関わっていくメンバーは実斗の交通事故に直接関わっていなくとも、どんな犯罪を起こしてこの場所に来たのかが気になります。
もしかしたらこれからの展開で、集まったメンバーの中に実斗の両親の交通事故に関係している人物がいて、どんでん返しが二転三転ありそうな気もしますが、それはまた楽しみにしておきたいです…。
この作品は『人とのつながり』がテーマでもあり、冒頭から実斗の父親が「自分と相手を繋ぐものを大切に」ということを言っていたり実斗が「そんなのは助け合いじゃない」とか「周囲を利用してたからみんな離れていった」というような言葉を発しているので、人との向き合い方にどのような考え方があるのかを教えてくれる予感がします。
そして実斗が加害者メンバーと関わっていく中で葛藤しながらも芽生えた、「許せなくても許されなくても、この世界で生きていかなければいけないし、なかったことにはできない、でも変わらなきゃいけない」という想いが、前に進むための人との境界線・距離感なのかもしれません。
また加害者の視点では、加害者メンバーの一人である小糸が実斗は加害者ではなく被害者と聞かされたとたんに一切関わらなくなったり、世那の言葉でもある『犯した罪を一生背負ってくのなんて当たり前だろ。誰かの何かを奪ったんだから。そんなの部外者のあんたに言われなくたって、他人の前で改めて言われなくたって重々承知なんだよ…!』という罪の意識に苛まれている様子が描かれています。
加害者といってもとてつもなく大きな犯罪を犯したのか、事故のような感じで意図せず傷つけてしまったのかはまだわかりませんが、周囲の目や犯罪者というレッテルから来る心苦しさやこれからの生活・未来に対しての不安から来る心苦しさがあるのだと思います。
両者の視点を浅賀は「あくまで被害者と加害者で線引きした場合であり、人と人の間に引かれる線は境界線とは限らない」と伝えたり、被害者視点に立って「被害者という立場だけで排除しようとしていることは自分たちが散々されてきたことじゃないのか?」と加害者メンバーに伝えたりと、『人とのつながり』を考える上での大切なことを話してくれます。
まだまだ謎が多くこれからの展開が気になりますが、被害者と加害者の両者がどのように社会へ居場所を見出していくのか。そして見出すためにどんな『人とのつながり』を知り、意識していかないといけないのか。そんな葛藤に立ち向かっていくエネルギーをもらえる、読み応え抜群&次巻がとても気になる作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!
ノラの家 名言一覧
いかがだったでしょうか?
学校や会社、その他の組織に所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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