postalkとは、何か。 1/n

この質問をされることは多々あるが、毎回悩んでしまう。

なぜ、作ったのか?というキッカケや理由はあるが、postalkが自分にとってなんなのかは今だにわかっていない。見たままに答えれば、ホワイトボードサービスだが、それだとあまりに雑すぎる。現在のキャッチコピーは「いつでも使えるデジタルホワイトボード」だが、これも間違いな気がしてきたので書きながら、考えてみる。

まず、思考実験からはじめてみようとおもう。明日からpostalkがなくなったとしたら、どんなサービスや道具で代用するだろう。パッと思いついたのが、スティッキーズだ。

スティッキーズは小さなメモの集まりだ。一つ一つはなんて事のないただのメモだが、フォントを変えれたり、背景の色を変えれたりする。どうにかスティッキーズでやりくりして作業をするかもしれない。

しかし、書きながら気づいたが、これもなにか違う気がしてきた。なぜならば、postalkはさらに小さなメモを扱っているし、スティッキーズだとpostalkでいうところのボードが一つしかない。これだとすぐに埋まってしまうし、ノイズが多い。

試しにこの文章をスティッキーズで書いているが、スティッキーを全画面にして書いている。デスクトップの背景がチラチラ見えると集中して書けない。それに、複数のスティッキーを組み合わせて文章を書きたいけれど、まとめてコピペはできないから、最終的に使うテキストエディタに移行する際に一つ一つコピペする必要がある。これでは、ただのテキストエディタだ。

postalkだったら、スティッキーズよりもさらに小さなメモをたくさん書いて、それをコピペしてテキストエディタに移行できるし、気になるメモはこざね法でまとめて別のボードにまとめることができる。postalkとは、小さなスティッキーズから文章や合意を形成するためのツールなのかもしれない。

ぼくは文章を構造的に扱うことに関心があるけれど、お絵描きがしたいわけじゃない。だから、MiroやFigJamの試みに本当のところは関心がわかない。彼らは、表象を作り出すことから始まったサービスだが、postalkはチャットやドキュメントのやりとりで発生してしまうミス・コミュニケーションをなくすために生まれた。

急に飛躍したことを書くと、postalkというDSLを使って、文章を生成したり、過程を可視化させることによって論理的なコミュニケーションを産みたいんじゃないか。

デュシャンがチェスについて語るとき、駒が美しいのではなく、脳内の運動こそが大事なんだ。みたいな発言があった気がするが、postalkも小さなメモを作って動かして、合意をとったり、アイデアを膨らませたりして、それをべつの空間に動かしちゃうことで、プロジェクトを円滑にしているのではないだろうか。


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