「聞く」「聴く」「利く」
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前回の振り返り
前回の投稿で
「聞く」ことが注目されているものの
内容を正しく理解することはとても難しい
というお話をしました。
難しい理由
1. 面白くない(聞いてない)
2.理解できない(前提が違う)
3. 理解したつもり(自分の前提で解釈)
聞くための対策
完璧に理解することは困難だとしても
できるだけ正しく相手の言っていることを
理解できるようになりたいですよね。
そのためには、どうすればいいか?
意識するとよい3つのポイントをお伝えします。
1.優先順位を上げる
プロの「聞かせる話」以外、聞くのは退屈なことが多いので、
どうしても「聞く」よりも「話す」ことを優先しがちです。
まずは聞くための心構えとして、
自分の中での「聞く」ことの優先順位をあげましょう。
効果的な方法(例)
話し手を特定する印をイメージする
意識の中で話す担当者を決める印を決め、
相手が話しているときは相手がその印を持っていると
イメージして聞くことに集中する。
(イメージする印:帽子、ボールまたは旗など)
手の位置を変える
相手が話しているときは、自分の左手を右手の上に置く。
逆に自分が話すときは、右手を上に置くと決め、
左手が上にあるときは聞くことに集中する。
相手の話を奪ってしまうのはほぼ「無意識」です。
自分なりに現在の話し手を「意識」する方法を見つける
ことが有効です。
2.相手になりきってみる
「現代カウンセリングの礎」を築いたといわれるカール・ロジャーズ。
彼が説いた傾聴に必要な三原則の中に「共感的理解」があります。
この本を読んだあとに、たまたま聞いたラジオで
ある俳優さんが新作映画の話をされていました。
役作りの話しをされているのを聞いたとき、
「まさに共感的理解かもしれない!」と思ったことを覚えています。
映画で殺人犯の役をやることになったそうなのですが、
その役作りとして
「この人はどんな子ども時代を過ごしたんだろう?」
「なんで人をあやめることになってしまったんだろう?」
「そのときどんな気持ちだったのかなあ?」
相手の立場になって、相手の心情を理解しようとした
とおっしゃっていました。
殺人犯のやったことを非難しようとか、
自分だったらどうするかなんてまったく考えず
ただただ相手と一体化して相手の思いを正しく
理解しようと努めていらっしゃったんですね。
「相手を役柄として演じるつもりで話を聞く」
役者さんでなくても、
一般人の「聞く」にも使えそうですよね。
3.鼻も使う
共感的理解の話の続きとして、
カールロジャースはこんなことも言っています。
これを実践しようと思えば、
相手が何を言おうとしているのか
言葉や仕草など細かいところから本心に気づく
必要がありますね。
「鼻が利く」という言葉があります。
「わずかな兆候から、
役に立つことを見つけ出す能力を持っていること」
相手の話を正しく理解しようと思えば
耳だけでなく”鼻”もフル活用して
言葉の端々や仕草に隠された
本心を嗅ぎだすことが大切です。
試行錯誤を繰り返す
この投稿を書いていて改めて思いましたが、
相手の言っていることを聞いて
正しく理解することは本当に難しいですね。
「あなたはできてますか?」と聞かれたら
自信を持って
「できてません」と答えられます。(苦笑)
「聞く」ことはとても奥が深いです。
でも難しいからこそ、
個人にも社会にとっても価値が高いと感じます。
試行錯誤を繰り返して、
少しづつでもブラッシュアップしていきたいですね。
ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)
「学びをよろこびに、人生にオーナーシップを」
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。