法学ラウンジ Day 16

みなさん今晩は。本日は令和五年度予備試験論文試験2日目でしたね。受験された皆様、本当にお疲れ様でした。私は嗤われるにすぎない短答落ちで、お疲れ様でした、といえるのか怪しい立位置にいるのですが言わせていただきます。

さて、そういうわけで今回は本年度の予備論文憲法を短答落ちではありますが構成してみた、ということで日記というか法学ラウンジで書かせて頂こうかと存じます。
加藤ゼミナール様が既に憲法の問題を17時30分とかそこらへんにアップして解答速報を出されていたということで問題だけダウンロードして、買い出しから帰宅後解いてみた、というカンジです。ただ、答案は書いていません。あくまでメモと感想だけ書いてみる、というかなり緩めのラウンジとなっておりますことご了承ください。

本題に入る前に、曲紹介というかなんというか。
私騒音のない世界さんの曲が好きでして、論文書いたりする時なんかでもしょっちゅう聴いてたりします。今回はこの二曲を。

①ワンルームの自由

②シャンパン・ビート

①は今月1日に発表された新曲、②は今年7月に発表された曲です。①は穏やかな曲調、特に午前中の自室で仕事,学業,作業などされる際にぴったりなのではないか、と結構気に入ってます。②は①とは対照的に弾ける感が満載のノリノリな曲です。よろしければどうぞ(おすすめです~)

本題 今年の予備論文憲法

1 問題を読んでいて

とりあえず本問のメモ画像を掲載します。

画像は加藤ゼミナール様が解答速報にて掲載された問題文を印刷し、メモした者です。加藤ゼミナール様の迅速な掲載感謝いたします。

先ず、問題を先に読んでみた。憲法で証言拒絶⁈「職業の秘密」のやつか?と想起。取材の自由,憲法21条が問題っぽい、と対象をこの時点である程度絞っておいた。ただ、この時点で何が問題となるのかはまだよくわかっていない。

3~11を読んだあたりで、Xは通常の報道機関とは活動態様が全然違っていること,通常の報道者とは認められていないっぽい、ということは分かったがこれをどう活かすか、は分かってない。メモにも「何だコレ?」とある通りである。あと、環境問題と表現の自由の2単語から、公共の利害に関する事実の認定とそれに基づく判例の傾向を問う意思があるのか?と想起。2020年度の予備試験でも公共の利害に関する事実について問われているっぽいと思っていたので、北方ジャーナル事件とかが司法試験委員会は大好きなのかなと勝手に妄想(もっというと、好きだなこの件、と思ってた)。ただ、使うとしてもどうするか、は具体的には決まってない。

12~14行目を読んで、逆転事件や月刊ペン(?)も想起。私人の活動でも、その地位や社会的影響力からすれば公共の利害に関する事実にあたりうる、とした判例(確かそれが月刊ペンだったと思うが)があったはず。この時点で公共の利害に関する事実が表現の自由(報道の自由)の方で問題にしているんだな、ということはほぼ確定していた。

15行目~21行目を読んでいて思ったのが、企業秘密という一種の企業のプライバシーが問題になってくるのか?と予感。ただ、仮に企業のプライバシーであるとしても重要な者なんかな?取引先が誰か、だけでしょ?果たして重要なんか?うーん?取引成り立たなくなりうる、とかならありうるだろうけどよく分らん、と悩む。
21行目後半~28行目読んでいて、「うわ…メディアスクラム的な奴?てかXもしつこいなぁ…そこまで執拗にしなくてもええんちゃうか?俺ならうっとうしく感じて殴り〇してるかもなww」と内心汗かいてた。にしても、なんかこんな感じの判例あったような気がするけど、なんだっけな…?となった。ただ、これは被告の反論で思いっきり使えそうな事実っぽいなぁ、とは予想。

28行目後半~35行目では、会社側が被った不利益が記載されてる。買ってもらえなくなって経済的不利益は甚大だ(信用棄損?)とか、名誉棄損だ、とかいうのがありえそう。

36行目以降は、職業の秘密にあたるとして拒絶した、とあって「あぁ。これは権利保障→制約→正当化、という流れはほぼ使えないだろうな。何も考えずにこういう流れを使ったら即Fだろうな。」というのは確信。比較衡量基準を使って論じていくということになるんだろうけど。にしてもR4予備試験で観た限り無神経に権利の性質、規制態様、違憲審査基準を立てるという処理手順をただ書き連ねる方法を徹底的に叩きつぶす方向性に切り替えていて、必ず判例の事案との違いを論じさせたいという意思を感じる。もう憲法の判例は基幹的なものは必ず読んでおかないとこれからの司法試験憲法では書き負けるなという予感。今の段階では判例読んでなくて良いかもしれないけどおそらくそれが通じるのはあと数年。みんなこれを機に判例をちゃんと読みだすようになるだろう。効率性ばかり求めた時代のツケが未来で回ってくるだろう。

2 ちょっとだけ脳内構成していて

答案の構造としては、
Step1:原告の全体的主張
Step2:被告による判例との比較をした反論
Step3:顕在化した争点を判例の趣旨とかごちゃごちゃ考えて私見をフルっぽく書く
というのは問題読んだ時点で確定してたけど、あとはそれぞれで何を書くか、というカンジ。

とりあえず時間計測してたんだけれど、現状14分37秒。恐らく被告の反論としては
・フリージャーナリストで、B県からは正式な報道機関所属と認められていないから、報道機関による報道ではないから博多駅事件の射程が及ばない(H23の本試験の憲法ガールでそういえばそんな反論あったような気がw)
・(仮に及ぶのだとしても)不利益は会社のプライバシー、名誉毀損、経済的不利益をもたらしていて(しかもその程度はでかめ)重大だ、という不利益性質/内容を主張しつつXは乙に対して執拗に取材を迫る他、害悪告知という手段まで使って情報を聴きだしているからこんなもの認めるのはけしからん
の2つくらいかな、と予想。それなら『被告の想定される反論や判例を踏まえて』という問題文で『なんかコンパクトにそこは書いてくれって言ってるまさかこれ?』という予感と一応符合するかな。

私見としては、
・インターネットの普及、フリージャーナリストが社会的にも一般的であること
・フリージャーナリストでも編集という知的作業が伴うし、事実の報道と表現の区別が難しいのは報道機関に所属して無くても同じこと
から、被告の反論その1を潰すかな。

次に、比較衡量における不利益の性質としては
・環境問題のうち、森林乱伐という公共の利害に関する事実であること
・Xはインフルエンサーであって過去に本まで出していた。
→社会的地位や影響力から見てXの報道はフリージャーナリストではあるけれど公共の利害に関する事実として扱ってよいし、上記再反論と同じカンジではありそう
・将来の取材が妨げられる程度にとどまるわけではない(その詳細はまだ未定)
・反論その2であるけれど、ただ執拗な方法であって、良心に訴えかけるような手法であり、人格を著しく損なったりとかする社会通園上相当と言える範囲を著しく超えた態様とは言えないから保護価値は高くないというのは失当だ、という再反論
から不利益は重大とすべきだろうな、と構成(証言を求める必要性は高くないというか、認めるべきではない、というカンジかな)

また、得られる利益としては
・情報漏洩によるプライバシー侵害があるが、取引先が誰であるか、は果たして秘匿性が高いと言えるのかどうか(理由付けはまだ不確定)
→高くはないんじゃね?
・経済的不利益や名誉毀損はあるかもしれないけど、前者については国民の自由意思が介在していないわけではないし、本件投稿によるところが大きいとしても、取材は会社の名誉や信用を毀損することを専らするためにしたわけではないことから違法性はなさそうだし、乙もXのしぶとい交渉のもとやむなくやったもの
・乙は名前を隠してかつ画像や音声も加工することを条件づけたうえでおこなっているから侵害の程度はさほど高くない?

という内容にするだろうか。

原告の主張内容をどうするか、詳細が決まり切ってないところをどうするか、はあと5分くらい時間使ってまとめ切りたいな、とは思ってる。ただ、取材態様のところなんかあったような気がすんだけどなんだったっけかなぁ…となってる。でも俺程度の奴でも引っ掛かってるくらいだから合格する奴は多分この違和感の正体分かっててちゃんと答案に反映できてんだろうなと思ってる。判例学習がまだまだだな、と痛感。憲法精読判例しっかり読み込んでおかないと。

3 解答速報をざっと見てみて

違和感の正体は解答速報10~17行目だった。しかも本問のモデル判例NHK事件で判示された3要件だった。あと、西山記者事件(外務省漏洩うんたら事件)も関係してた。そこかあ…ここについては来年の予備論文突破計画で今月中(11日より始動)に表現の自由と職業選択の自由の憲法精読判例は読む予定だったからちょうどいい学習機会かな。
あ、職業の秘密該当性は書きわすれてたけど、多分将来の円滑な取材/報道に著しい支障が生じて、遂行が困難になるby取材対象との信頼が破壊されてしまう、ということの当てはめをしつつ、報道の自由/取材の自由が憲法21条1項で保障されることの認定も前提的にする感じで良いんじゃないかって感じだった。そこは解答速報と同じだった。

でもこれ多分みんな同じこと書いてて差がつきにくいだろうな、と思った。多分受験された人たちはこのくらいしれっと書いてくるだろうと思うから多分Cくらいかな…答案化したとしたら。これは多分
【第一関門】
・保障→制約→正当化(権利の重要性/規制態様→中間審査基準とか立てる)としていないこと。しても問題ないんだろうけどそれには相当の論証が必要になると思う。それが説得力〇とさせるのに滅茶苦茶大変そうだから、かなり減点危険性高そうな構造で、Fになる危険性超高だと思う
・職業の秘密の該当性を当てはめ出来ること。これが出来てないと前提問題クリアならずで先の論述ミル価値無し、でぶった切られてもおかしくないのか?
【第二関門】
博多駅事件を引用し、公正な裁判を受ける権利を理由とする制約の可能性を書いたうえで比較衡量を書くにつき、
・公共の利害に関する事実該当性を書けること(北方ジャーナル事件を想起)
・所詮ただの取引先だろ?どこが大事なん?として必要性を否定したりする

被告の反論で
・博多駅事件の判例の射程が及ばない
・及ぶとしても態様がけしからんし、信用/名誉毀損、プライバシー侵害があって重大だから証言拒絶はダメに決まってんだろボケ!
と主張

NHK事件の中で例の3要件を私見で示しつつ、
・報道機関によるものとフリージャーナリストによる相違点/共通点を論じ、判例の射程を検討
・行為態様がちとやりすぎかもしれんが、人格を害したりするようなやべぇことしてねぇだろ
などから不利益のデカさを強調したりする
他方、
・不利益の性質についての検討
などから当てはめをすること
【第三関門】
北方ジャーナル事件や月刊ペン事件を引用して違いや共通点を詳細に検討したり、第二関門における検討の内容をより濃くしたりする。

だとおもう。B以上狙うなら第三関門までの到達は必須ではないかと思う。
こんなところかな。

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