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ジョナン派の僧院

ジョナン派の僧院は、当たり前であるが
チベットにもインドにもある。

インドにいて、本土に行ったことがない人間が想像すると、
特にゲルク派の僧院にはあまり僧侶が居られないと聞いているので、
チベット本土の僧院の規模は大きいものの僧侶は二百〜三百人、南インドの大僧院などは何千人単位でおられるから、
インドの僧院の方が大きいような気がしてしまう。

ところがジョナン派については逆で、
ジョナン派のお坊さん自身が
「チベットの方が多くてインドは少ない」
とおっしゃっている。

ダラムサラ近郊に、ノルブリンカという庭園の美しい観光スポットがある。
チベット伝統工芸を保持して、園内の工房で製作された仏画や工芸品の販売もしているが、

その近くにインド・ジョナン派の僧院の一つ、
通称カーラチャクラ僧院がある。
主に小中学生くらいの若いお坊さん達が勉学に励んでおられる僧院で、六十人ほどと言っておられただろうか。

先生と生徒、事務仕事をするお坊さんと、
偉大なラマの生まれ変わりとして尊ばれている方など、真面目に日々の修行、学びを続けておられる慎ましやかな僧院だった。

この僧院に、普段はインド・ジョナン派の座主がいらっしゃるそうだ(現在台湾に出張中)。

テキストを借りに伺ったのだが、
授業中の先生を待つ時間に
若い先生がいろいろ話して下さった。

若い先生はチベット、アムド地方の出身で、
地元のジョナン派の僧院で僧になったけれど仏教哲学を深く勉強したいと思い、
またダライ・ラマ法王に会いたいと思ってインドに来られたそうだ。

インドでは、南インドのデプン僧院ゴマン学堂で学ばれ、今は博士課程の途中で、
今年一年の課程を終えて試験を受ければ
ハランパという最高学位を得ることができる。

ジョナン派座主の先生とゴマン学堂の学堂長が同郷で、先生が学堂長に頼んで先生として派遣されたと言っていた。

彼が見せてくれた僧院の写真を見て驚いた。

広大な土地に大きな僧堂と幾つかの建物、そして非常に沢山のお坊さん達がいる。

きくと、僧侶の数は約六千人。
僧院の後ろに離れて建てられた尼僧院には約二百人の尼僧。

大本堂から少し離れて、カーラチャクラ曼荼羅を模して立体的に造られたお堂もある。

この僧院で、若いお坊さん達はまず仏教哲学を学び、
その後、学堂の後ろに位置する瞑想修行用の施設で三年瞑想修行をし、
その後瞑想所を出て指導に入るか、
学びを深めるか、
或いは瞑想所で瞑想を続けるか、
僧院を出て隠遁修行を極めるか、
自由だそうである。

尼僧院の尼僧さんも同じように、
仏教哲学の勉強とカーラチャクラの瞑想修行を行うそうだ。

女性でも三年三ヶ月の長期瞑想施設が整っているから大丈夫、と勧められた。

とにかくその規模に圧倒されたが、
アムド地方にあるその僧院の名は、
ジョナン大僧院
ザムタン・ツァンワ・ゴンチェン
という(サムネ写真)。

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