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マナリ・スピティ・キノール・マニカラン

一ヶ月ほどの旅行から帰還して、数日が過ぎた。
今日からしばらくは、今回の旅行について書こうと思う。
今回は前置きである。

さて、今回の旅行は初めてのことばかりだった。

先ず、法話会 or 授業が無いのに旅行することが、今まではなかった。
逆にいえば、今まで長期でインド国内を移動することはあったけれど、それは全て法話か授業を受けるためだった。
その点で、インドに来て初めて、単なる旅行をしたことになる。

更に、予定が尽く変更された旅行も今回が初めてだった。
実をいえば、旅程はまだまだ長くなる可能性もあったのだが、最初の予定の二週間を大幅に上回ったところでダラムサラのテーマソング「オム・マニ・ぺメ・フーン」を耳にし、
『こりゃ帰って来いと言ってるな』
と受け取ったので、
その翌々日にさっさと帰ってきた次第である。

今回の旅は、予定があって無かったようなもの。
これ程予定が変更されたことも初めてだった。

最初に決めていたルートは、
ダラムサラ-マナリ-カザ(インナーパーミット申請)-タボ-ナコ-マナリ-マニカラン-ダラムサラ。

最終的に回って来たのは、
ダラムサラ-マナリ-カザ-タボ-ナコ-ソマン(+コロドンパ)-タボ(+ダンカル・ラルン・キー)-カザ-マナリ(+カシャパクパ/トリロクナ―)-マニカラン(+キルガンガー)-ダラムサラ。

こうして二週間が一ヶ月になった。

この道程をタイムラインに沿って記していこう。

先ずダラムサラから出発する時。
ダラムサラからマナリまでの窓が開かないボルボACバスについては、以前に書いた。
一言でいって、(筆者にとって)ゲロゲロ最悪のバスだった。
車に酔わない人は大丈夫。

しかしその前に、大家さんの大先生との会話で、今回非常にお世話になった重要な伏線がある。

出発の夜十時半ではあまりにも遅すぎるだろうと思い、八時頃挨拶に伺った。
(バス自体はロウアーダラムサラ・バススタンドより、11:30PM発)
お弟子さん達が先生のおやすみ前に、寝室を調えたり飲用のお湯を沸かしたりしていた。
その前に旅行に出る旨を伝えておいたので、「今夜でます」と伝えに行ったわけである。

どこを訪問するのかと訊かれ、上記の予定を伝えた。
すると大先生は、
「タボに行くのだったら、事務長を知っているから電話しておいてやろう。
うちは長いことスポンサーをしていて、御仏像の衣を毎年無料で送っている。
何か助けが必要だったら、『○○のところに住んでいる日本人だ』と言って訪ねれば良い。」
といって下さり、先方のお名前も教えて下さった。

『まさかそんなことが・・・』
と思われるようなありがたい展開であった。

ダラムサラにいる友人からタボの知人を紹介してもらい、既に連絡も取ってもらっていたのだが、更に心強いヘルプが天から差し伸べられたと感謝した。

こちらの友人の助けも、非常にありがたかった。
彼女&旦那様のコネクションでスピティ出身のNさんを紹介してもらったのだが、
彼はIBD(仏教論理大学)の一つ下のクラスの学生だった。
聴講の筆者にとっては「学生」という自らより優れた立場にいた彼であったが、ありがたいことに、チベットの仏教関係の人々は上級者を大切にしてくれる。
Nさんの紹介でタボ僧院のお坊さんを紹介してもらい、その後の旅程で非常にお世話になった。

ご縁をつなげてくれた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

お礼を言って大先生のお部屋から失礼し、その日の残りのお祈りをすませ、
その後夜行のバスに乗り、久しぶりに車酔いの洗礼を受け、
翌朝マナリの涼しく澄んだ空気を吸って生き返り、
翌々日の早朝6:30発、スピティ行の乗り合いミニバスに乗る。

ここで、「マナリ」「スピティ」などの名詞について。
(ご存知の方は飛ばして下さい)

よく「クル、マナリ」といわれるが、これは「クル郡マナリ」の意味で、
ダラムサラに当てはめれば、「カングラ(KANGRA)郡ダラムサラ(Dharamsala)」となる。

筆者は今回の旅行まで、クルとマナリとマニカラン、スピティとタボ、キノールとナコを並列の関係性で捉えていた。

これらは実は、クル(KULLU)郡のマナリ(Manali)、マニカラン(Manikaran)、キルガンガー(Khirganga)等々。

スピティ(SPITI)郡のカザ(Kaza or Kaja)、タボ(Tabo)、ダンカル(Dhanker)、ラルン(Lalung)、キー(Key)等々。

ラホール&スピティ(LAHAUL & SPITI)は一つの郡として管轄されていて、

ラホール(LAHAUL)郡のトリロクナー(Triloknath)=チベット名:カシャパクパ等。

キノール(KINNAUR)郡のナコ(Nako)と、ソマン(Soman)と、コロドンパ(「コロドンパ」はご本尊の尊名を付けた聖地の名なので、地図に地名として記載されているかは不明)等々、となる。

キノール郡のナコやソマンは中国との国境が近いので、外国人は入域許可証が必要になる。
更に、その地区に入る前にポリスのチェックポストがあり、入域時と出域時にパスポートとビザ&入域許可証の提示・登録が義務付けられている。
それについては後ほど紹介する。

少しずつ道程をシェアするので、
興味のある方は続けて読んで頂ければ幸いである。


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