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ステイホーム時にも教会での祈りを体験できる本 『教会の祈り 新しい聖務日課』のススメ 【カトリック】

最近、『教会の祈り 新しい聖務日課』という本を愛用するようになりました。使おうと思った理由はステイホームとは別のところにあるのですが、ステイホーム時代、ウィズコロナ時代のカトリック信徒生活にはすごく良いものだと思ったのでご紹介します。

『教会の祈り』を使おうと思った理由

『教会の祈り』を使おうと思った理由は、最近信仰上の考えの変化があって(このところこのマガジンの更新が滞っていた理由のひとつです。あとで別記事に書こうと思っています)、生活の中で欠かさず祈る機会が必要だと思ったことです。

毎日欠かさず祈るにあたり、私は詩編が好きなのでそれを読み込む機会が欲しいと思いました。調べていると、150編ある詩編を4週間で朗読し終わることを繰り返していく「聖務日課」というものがあることを知りました。(1日およそ5編読む計算)

聖務日課は「第一週」から「第四週」まで周期(詩編配分と言う)を繰り返しています。今が第何週に属するのかと、第何週にどの詩編を読むのかがわかっていれば聖務日課がこなせるはずなのですが、このあたりの情報がどうしてもネットで拾えない。

それで結局、詩編配分の第一週から第四週に朗読すべき詩編が順に載っていて、聖務日課をこなすのに不可欠と言われる『教会の祈り』を買うに至ったわけです。6000円近くするので高いし、厚さ5センチ近くあるハードカバーの重たい本です。

実際にはこの『教会の祈り』をその年ごとの典礼暦に合わせて使っていくための手引き書『教会の祈り 日々の手引き』が必要です。買うと200円ですが、PDFをダウンロード・印刷して使うこともできます。いずれも下のページから。
※『日々の手引き』はAmazonでは売っていません。私は購入の手続きが面倒なのでPDFを活用しています

『教会の祈り』とは

『教会の祈り』は、「聖務日課」の式次第が載った本です。

聖務日課とは、教会がこなしてきた毎日の時間ごとの決まった祈りのこと。
一日に最大5回、聖体拝領のないミサのようなこと(祈り、聖書朗読、賛歌の歌唱など)をします。

聖務日課では、150編ある詩編を第一週~第四週の28日間で唱えていきます。
150÷28で、1日5編唱えていく計算です。詩編のほかに聖書のほかの章句も唱えていきます。

待降節、四旬節、復活節など、特別の節期には特別な司式が用意されています。

「教会の祈り」の使い方

必ず、先にも紹介した、『教会の祈り 日々の手引き』を併用します。

これがないと今が詩編配分の第何週に該当するのかもわからないので、詩編配分に従って司式が記載されている『教会の祈り』だけ持っていてもちんぷんかんぷんです。

『日々の手引き』はこんな感じになっています。表内の数字は『教会の祈り』でのページ数。ここだけ押さえておけばとりあえず乗り切れると思います。復活節だとか特別な典礼の時期には特別な参照の仕方になってわかりづらいので、普通の年間週日から使い始めて慣れていくのがおすすめ。

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出典:『教会の祈り 日々の手引き 2020年度』カトリック中央協議会

あとは、自分の生活に合わせて毎日祈っていきます。聖務日課は
・読書
・朝の祈り
・昼の祈り
・晩の祈り
・寝る前の祈り
と一日に5回
ありますが、まあ一日に一回でも祈れたらいいんじゃないでしょうか。教会では「朝の祈り」と「晩の祈り」を特に重要視しているようなので、一日に最低一回、と考えている人は朝か晩のどちらかを祈ったらいいと思います。

本当は朗読したり歌ったりするようで楽譜もついてますが、私は単に黙読してます。

祈るタイミングは以下のような感じです。解説をもとに私が理解した内容を表にまとめました。

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こうして見ると「読書」はかなりハードコアな祈りですよね。説明を読むと、夜中で朗読ができないときに黙読で祈るとき用の式次第なんだそうです。

伝統的に、朝の祈りが夜明け、晩の祈りが日没となっていたのは、中世なんかは電気がなかったですからね。日が昇れば起きて仕事をし(たいていは農作業ですかね)、日が落ちればそうそう仕事もできないし、一日のまとめをしてもう寝る準備に入りましょうね、という感じだったことの名残と思われます。現代では日の出日の入りは関係ないですから、朝の祈りと晩の祈りは仕事開始前と仕事終わり後が良いタイミングかなと思います。

私は仕事する前にする朝の祈りと、寝る前の祈りが気に入ってます。朝には「きょう一日があなたに捧げられますように」とか、夜には「きょう犯した罪をお許しください」「眠るときにもお守りください」などといった文言が入っていて、まことにすがすがしい気分になります。

1回の祈りは5分とかそのぐらいで終わります。本当に手軽に思います。

『教会の祈り』のいいところ

私にとって『教会の祈り』の魅力はたくさんあります。

まず、教会に行かなくても教会共同体と一致した祈りがこなせて安心。最近のように公開ミサが中止になっているときには、ミサの配信と合わせて頼みの綱になります。また、これは私の事情でもあるのですが、所属教会の共同体の状態が運悪くあまり良いものでないとき、『教会の祈り』を使った自宅での祈りには、ときにはミサの代替以上の恵みを感じられます

こうしたことから、バチカンでも日本中央でも所属教会でもそうですが、実際の教会共同体の現状にあまり左右されずにドンと構えていられるようになります。この安心感は想像以上に大きなものです。

また、私にはASDという発達障害があって、日々の中に「変化しないもの」があると精神的に落ち着くのですが、『教会の祈り』を使って決まったルーティーンで祈る習慣は、そんな私に精神衛生上非常によい影響を与えてくれています

今まで持っていたカトリックの祈りの本は、『祈りの友』や『カトリックの祈り』とかいったものです。これらも根強い人気があり、素晴らしい祈りもたくさん載っています。私も愛用しているのですが、これらの本には、『教会の祈り』のような、「今日のこの時間はここだけ読んでおけば大丈夫」みたいな決まったルーティーンはありません。対して『教会の祈り』は、最初とっつきにくいけれど使い始めたらこれほど楽なものもない、というのが私の印象です。

説明によれば、ミサと『教会の祈り』の関係は、『教会の祈り』を使って毎日祈ることで、さらに深くミサにあずかる準備を整えるもの、だそうです。

ステイホーム時代、ウィズコロナ時代のカトリック信徒にとって、『教会の祈り』は思い切って手を伸ばしてみる価値のあるものだと私は思います。

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