宇樹義子(そらき・よしこ)

発達障害(ASD)、複雑性PTSD。食えない物書き。/拙著 #発達系女子 の本 htt…

宇樹義子(そらき・よしこ)

発達障害(ASD)、複雑性PTSD。食えない物書き。/拙著 #発達系女子 の本 http://amzn.to/32os0BQ /Amazonアソシエイト利用

マガジン

  • ゆうしゃソラキのぼうけん

    日々の雑感などのコラム記事をざっくりまとめるマガジンです。

  • ホモ・サピエンスとしての皺

    山川出版の『詳説世界史図録』を勉強しながら書いていくエッセイ。

  • 宗教とインチキのあいだ

    30を過ぎてカトリックで洗礼を受けたものの、仏教を代表として世界中の宗教が大好きな宇樹。宗教的な話題について、Twitterでは書けないセンシティブなこと、内輪話的なことを書き綴ります。

  • 魂を注ぎ出す日記

    40歳の誕生日から1年間、毎日140字ずつの日記を書いていくマガジン。

  • 『#発達系女子 の明るい人生計画』反応まとめ

    拙著『#発達系女子 の明るい人生計画』への反応をまとめるマガジンです。ご感想noteを収録させていただくほか、Twitterでの反応のまとめなども収録するかも。

最近の記事

「アプリと子供服レンタルで、ママの『子どもが服のどの要素が嫌なのかわからない』をなくします」――感覚過敏のある発達障害児とその保護者を支援する高校生女子グループ、「SKIES」にオンライン投票してください

今回はみなさまに折り入ってお願いがあって記事を書いています。高校生女子集団のプロジェクトへの応援願いです。 SKIESと、SKIESの考案したアプリ「幸服(こうふく)みっけさん」について まずSKIESの紹介から。SKIESは、ヘルスケア課題の解決をめざして次世代イノベーター人材が企画・運営する学生の自主プロジェクト「inochi学生プロジェクト」に参加している、4人の高校生女子によるグループです。 inochi学生プロジェクトでは毎年、関西、関東、金沢で、中高生・高専生

    • 家族による #ゴミ屋敷 #多頭飼育崩壊 に苦しんでいませんか? 「ためこみ症者家族の会(HRAJ)」はじめます

      【2023/01/20追記】 ※ためこみ症者家族の会は、現在新規参加受付を停止しています。ご購入いただいても参加いただけませんのでご注意ください! ※ためこみ症者家族の会は、「家族や親しい人によるためこみに困っている人」が参加できる「家族会」です。ご本人は運営の性質上参加できませんのでご注意ください。 私はゴミ屋敷で育ちました。 実家をゴミ屋敷にしたのは私の母です。母は極端な心配性でこだわりが強く、かつ、定期的な掃除や片づけ・整理整頓をする習慣がありませんでした。漫然と

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      • 「ためこみ」「ゴミ屋敷」も強迫症? 私の母の強迫症について #強迫症啓発週間

        10月11~17日が強迫症啓発週間。私は長年、母の特異な言動に悩まされてきて、今もトラウマ治療中なのだが、最近になって母が重度の強迫症だったらしいことがわかった。私の母のケースについて少しまとめておきたい。 母の強迫症が判明するまで私の母には長年おかしいところがあった。彼女の特異な言動にはだんだん誰も手がつけられなくなり、父と兄は家を逃げ出してしまう。逃げそこねた私はその後一人で彼女の世話を背負っていたが、東日本大震災で母の症状が劇的に悪化。私は追い詰められて実家から逃げ出

        • トランプを熱狂的に支持する陰謀論者「Qanon」についての考察 ―彼らはなぜトランプを信奉するのか

          最近、「Qanon(Qアノン)」という、陰謀論をとなえる人たちのことが(多くは「極右」など批判的な形で)話題にされている。ずっと気になっていて、やっと関連の動画やツイートを見たので、考えたことを少し記しておきたい。 Wikipediaで申し訳ないが、Qanonの基本的な解説については以下を参照してもらいたい。 私が参照したのは、アメリカ合衆国を中心に英語で広がっているQanon関連の情報を日本語で発信しているEriさんという方のこのツリー。特にツリー最上部に置かれている動

        「アプリと子供服レンタルで、ママの『子どもが服のどの要素が嫌なのかわからない』をなくします」――感覚過敏のある発達障害児とその保護者を支援する高校生女子グループ、「SKIES」にオンライン投票してください

        マガジン

        • ゆうしゃソラキのぼうけん
          31本
        • ホモ・サピエンスとしての皺
          2本
        • 宗教とインチキのあいだ
          15本
          ¥500
        • 魂を注ぎ出す日記
          79本
        • 『#発達系女子 の明るい人生計画』反応まとめ
          9本
        • 『#発達系女子 の明るい人生計画』こぼれ話マガジン
          3本

        記事

          我、ポンコツなり

          今朝、今まで見たことのないタイプの夢を見て、ボロボロに泣きながら目を覚ました。こんな夢だ。 オットがベッドの上で並んで寝転がって、いつもみたいに私のことをよしよしと大事そうに撫でている。とても安心で心地がいい。けれど、なんだか周囲の状況がおかしい。ここは我が家の寝室のはずなのに、見えるのは見たことのない部屋の様子で、本棚や机が周囲に置いてある。 そして、私の本がない。以前大学院に通ったときのテキストなんかもない。オットの本しかなくてガラガラの本棚からは、私の本が1冊残らず

          磨製石器: 時空がつながる

          実家の近所には、ざくざく土器や石器が出てくる畑があった。長じて知ったことには、そのあたりは古墳時代の集落があったため、畑を普通に耕しているだけでいろいろ出てくるのだ。土器も石器も畑のあちこちに積み上げられていたし、子どもの手で少しそのへんを掘っても何かしら手に入るのだった。 そうした土器や石器に触れていると、ときおり強烈な感覚が全身を震わせた。突然、その道具を手にしていた人の体温や鼓動が伝わってくるような気がするのだ。 もちろん、古墳時代なんて今から1500年ぐらい昔だ。

          磨製石器: 時空がつながる

          小さきものと眠る

          昼寝をしていたらうちの猫がやってきて、私の脇の下にすっぽりとはまりこむようにして眠りはじめた。この子はベッドに乗ってくるときも足元に丸くなっていたり脚の間にはまりこんできたりするぐらいで、今まで自分からこちらの顔の近くまで来て眠ったことはなかった。珍しい。 疲れていながら少しクサクサしてベッドの上で何度も寝返りを打つばかりだったのが、脇の下にふわふわと柔らかくて温かく、少し湿り気のある猫の身体を感じていたら、すっかり「世はこともなし」といった気分になった。頬をリズミカルに猫

          誰がいつどのように死ぬかわからない、だから私はヒトの歴史を味わおう ―エッセイマガジン「ホモ・サピエンスとしての皺」はじめます

          咀嚼され吸収され、しっかり本人の血と肉となった人生経験は、その人の見る世界の解像度を上げる。私はそう思っている。 コロナ禍のステイホームで、ふと思い立って聖書を通読した。聖書に描かれているのは、ありていに言って「ヘブライ民族の民族史」だ。ヘブライ民族の民族史という、ひとつの血と泥の臭いのするストーリーが人類史の一部をズドーンと串刺しにして見せてくれたおかげで、世界の歴史が体感的に理解しうるものとして入ってくるようになった。 先日、未明にふと目が覚めてつけたテレビで、ひたす

          誰がいつどのように死ぬかわからない、だから私はヒトの歴史を味わおう ―エッセイマガジン「ホモ・サピエンスとしての皺」はじめます

          私を攻撃する人は、私の客でも友達でもない

          そうはっきり思ったので、そのことについて書く。 先の記事では、「また攻撃されるのではないか」とビビって一部を有料にしてしまった。 しかし、そうやって自分を攻撃してくる人の顔色を伺っているうちは自分がきちんと傷から癒やされることはないだろうと思い至った。それで、自分の感じてきたことを思い切って一般公開で書いてみる。 私は、二重性を抱えている。「受けた傷に苦しみつづける人」であるいっぽうで「一般的に見て恵まれており、嫉妬されうる人」である、という二重性。 私はトラウマサバ

          私を攻撃する人は、私の客でも友達でもない

          人は孤独によって病む ―嫉妬の話

          前々から頭では理解していたけど、いま確信した。人は孤独によって病む。たとえば、人は単なる絶望のせいで病むのではない。「絶望をたったひとりで抱える」ことで病むのだ。 日常生活上のもろもろの悩みがたまって「人生もう嫌だ」「世の中なんてラララ」みたいな気分になり、ひさびさにカウンセリングを受けた。思う存分愚痴をぶちまけ、「こうこうこういうわけでどうにもしようがないんですよ」「うーん、確かにそれはなかなか難しいですよねー」みたいにやりとりをする。「ああ、あれもこれもこっちも確かに先

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          人は孤独によって病む ―嫉妬の話

          奥二重コンプレックスが成仏した

          私は奥二重だ。それも、ファッション雑誌やメイク本で奥二重として紹介されているような、「それほぼ二重やん!」みたいな二重に近いタイプや、切れ長が印象的なすっきりしたタイプではない。私の奥二重は、まぶたの肉が分厚くて、まつげの根元どころか毛先さえ見えやしないぐらいぼってりしている。 昔からアイメイクには苦労してきた。最初にぶつかった壁がビューラーだ。私が高校生ぐらいで、自分の眠たそうな目を校則にひっかからない範囲でなんとかぱっちりさせたいと使ったのがビューラーだった。しかし、私

          奥二重コンプレックスが成仏した

          Call a priest I'm Catholic

          思えばずいぶん長いこと、自分の信仰に確信を持てずにきた。けれど、私はきっとカトリックでいい、いや、カトリックがいいのだ、突然そう思った。 "Call a priest I'm Catholic" とは、カトリック信者が身につける祈りの道具「メダイ」の裏にそっと書かれている文句だ。「(私の身にもしものことがあったら)司祭を呼んでください、私はカトリックです」。 いまわのきわに誰にどのように送られようが、人は死ねば神のもとに行く。いや、生きているときからいつも神に包まれている

          不惑にして化粧に恍惚を覚ゆ

          40歳、不惑の歳になって突然、化粧の楽しみ方がわかった。 「不惑」みたいな、動じない感じではない。「恍惚」だ。メイクの恍惚の中に身を浸して、ダメになってしまいそうだ。 10代は子どもだった。20代からの20年間は、自分の受けた傷から立ち直るのにアップアップしていた。ふと気づいたら鏡の中に、傷から立ち直りたてほやほやの40歳のおばさんがいた。 ゆるむ顎のライン、下がるまぶた、なかなか消えなくなったほうれい線、以前はなかったはずの眉間の薄い縦ジワ、増えてくるシミ。 それ自

          不惑にして化粧に恍惚を覚ゆ

          雨の日が好きやねん

          梅雨明け以降、洗濯がはかどって仕方がない。あっという間にパリッと乾いてしまうからだ。スコンと晴れた空を見やりながらベランダで洗濯物を干していて、突然思い出した言葉があった。 雨の日が好きやねん。 私が10歳かそこらのときに聞いた、母方の祖母の言葉だ。 「洗濯もせんでええ、買い物も行かんでええ、堂々とさぼれて好きなことできるから、私はちょっとな、雨の日が好きやねん」 祖母は、ペロッと舌を出すようにしてコケティッシュに言った。 今なら「カリスマ主婦」と言われるような感じだっ

          強迫症だった

          私は強迫症だった。 気づいたのは7月半ばだった。自分が「完璧主義」だと思っていたものが、少しマイナーなタイプではあるが立派な強迫症状だと、ひょんなことから知った。 最初のきっかけは、カウンセラーに母のホーディング(ためこみ)や心気妄想のことを話したら、「それは実質的に強迫症そのものだと思う」と言われたことだった。このカウンセラーにかかるようになったのは、彼がEMDRなどのトラウマ治療ができるからだったが、話す中で強迫症が専門だとわかった。 自分の生きるうえでの強い焦りや

          最近マインドフルネスや認知行動療法を使って自分の強迫観念をなだめていっているのだけど、強迫観念が落ち着いたら出世欲も落ち着いてしまって、noteやTwitterでマメに発信しようという気が失せてしまった。自分の心身は以前よりずっと楽なのだけど、これでいいのだろうか……

          最近マインドフルネスや認知行動療法を使って自分の強迫観念をなだめていっているのだけど、強迫観念が落ち着いたら出世欲も落ち着いてしまって、noteやTwitterでマメに発信しようという気が失せてしまった。自分の心身は以前よりずっと楽なのだけど、これでいいのだろうか……