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読書感想:ユーモラスで考えさせられてドキッとする「タイタンの妖女」

カート・ヴォネガット 1959年の小説「タイタンの妖女」
とても面白く一気に読めました。

もし自作を一冊再読するなら?という質問に、ヴォネガットは「書いてるとき一番楽しかったから」という理由でこの本を挙げたそう。

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人生の意味

全体のテーマはズバリ「人生の意味」。

火星人がなぜそのようなことをしたか?それは奴が…。しかしその奴も、いや実は人類そのものが何万年もの間あの…と物語はどんどん壮大に面白くなっていき、その中で人間、社会、運命、生き方、幸せなどいろいろ考えさせられる様々な寓話的お話しが語られていきます。

私は「会社勤めとフリーランス、どちらが幸せか?」「効率化? AI? DX?その行き着く先に何が?」「神という存在を想定することが人々に救いではなく苦しみを与えているのでは?」「公平、平等、運…」などバラエティに富んだ事柄について思いを巡らしながら読みました。

文体は軽くユーモラスでありながら、ところどころでドキッとするような残酷な言葉が出てきます。

「火星人に○○○せられるんだがね。家畜のように」

そこまでの軽い感じと同じ調子で出てくるからなおのこと衝撃的!😖

一応「人生の意味」の答えを最後の方で主人公が口にするんですが、私には頷けるような頷けないような微妙な答え…
でもそれを主人公が気付いた時期とか、それを話して聞かせる相手とかがこれまた考えさせられるんです。

この物語には面白く読みながら考えさせられるネタがごまんと詰まっています。多分またいつか再読する予感がします。

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おまけ

誰に見せるでもなく本能的に集団で模様を創り出すハーモニウムにクリエイティブ・コーダー的親近感をおぼえました。🙂


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