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読書感想:動物行動学が教えるネコの心理

猫が好きです。とっても好きです。
子供の頃からずっと好きでした。
世の中で好きなものを3つ挙げるとしたら、猫とネコ、それとねこです。よろしくお願いします。

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そんな大好きな猫についての真面目な本『猫的感覚──動物行動学が教えるネコの心理』
訳者あとがきに「ネコを幸せにするための本」とあります。これは読まなくては!

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どのようにイエネコになったのかは未だに謎!

身近な動物の割に猫についての研究はあまり進んでおらず、ヤマネコからどのようにイエネコになったのかも未だに謎なのだそう。
この本では研究の進んでいない点は素直に認めつつ、歴史的、解剖学的、心理学的(?)研究の現在の成果を紹介しながら猫の興味深い事実や著者の見解を沢山読むことが出来ます。

猫は一匹一匹がとても個性的ということは猫好きの方ならきっとうなずいていただけること。その個性は先天的なものか、後天的なものなのか?品種や被毛の柄との関係は?とか興味ありますよね?

その他、
・喉をゴロゴロ鳴らすのには満足している以外の意味もある?
・科学的実験によって明らかにされる人と親密になる猫の条件
・猫の視覚の特徴(これを知っていれば猫じゃらしでもっと上手く遊べると思う)
・獲物を持ち帰って飼い主にプレゼントすることの意味
など、興味深い話がいろいろ出てきます。

この飼い主へのプレゼントについては、よくある「飼い主を子猫扱いしている」という説はこの本では否定され、別の説が提示されています。これ納得でした。

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馴れる猫、馴れない猫

イエネコがどのようにイエネコとなったのかと同様、なぜ人と親密な関係を築けるようになったのかも謎とのこと。
イエネコは山猫から進化したらしいのだけど、山猫は全く人になつかないのだそう。
ヨーロッパヤマネコを飼いならそうといくら試みても『しだいに人を怖がらなくなったが、臆病さが消えると残忍さが増すだけだった』という体験談も面白かったです。

人に馴れるということは後天的なものなのか?あるいは先天的、遺伝的なものなのか?
それはイエネコという種全てにあてはまるのか?イエネコの中でも異なるのか?

私は野良猫を手懐けるのが好きで自分ではそれが得意だと思っていたけれど、この本を読んで自信がなくなってきました。
人の住む家に近づいてくる野良猫と全く近寄らない野良猫、両者は遺伝的に異なるのか?
私は手懐けることで後天的にその猫を変えたつもりでいたが、実は…?

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猫の未来

最近、飼い猫は去勢することが当たり前になってきました。野良猫も増えすぎを防ぐために去勢を行う活動が行われているとか。

これがそのままずっと行われ続けたら、将来猫と人との関係はどうなっていくのか?という話でこの本は終わります。
去勢についてこういう視点で考えたことはなかったのでとても新鮮でした。
果たして何が淘汰され、何が残り、未来の猫はどうなっていくのだろう?

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Summer, Cat on a Balustrade
Date:1909
Artist:Théophile-Alexandre Steinlen


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