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Java 有償化と Processing

Java の次期バージョンからサポートが有料になるそうですね。
Java で書かれている Processing には何か影響があるんでしょうか?

気になってちょっと調べてみました。

Java の有償化、サポート期限

要点をまとめると、サポート元として Oracle社と OpenJDK の開発コミュニティがあり…

Oracle社
現在 Processing が使用している Java8 の場合、商用利用は 2019年 1月まで、個人での利用は 2020年 12月まで無償でアップデートが提供される。
Java11 からは長期間サポート(LTS)が開始され、契約顧客だけにアップデートが提供される。

Java9 と 10 はサポート期間が短くて載せ替えのタイミングが無いので事実上使えない。

OpenJDK
長期間サポート(LTS)については 18/05/15 時点ではまだ不透明。

といったところです。

情報をまとめてくださっている、こちらのサイトがとてもわかりやすかったです。

Java 本家 Oracle の Java SEサポート・ロードマップ も見てみましたが、有償化についてはよくわかりませんでした。


Processing の Java 環境

Processing ドキュメントの「サポートされるプラットフォーム」に Java の使用についての記載があります。

Processing では Oracle Java(JRE)を使用しており、 Processing のインストーラに含まれている(バンドルされている)とのこと。
バンドル版の JRE を使っているので、別途インストールされた JRE を入れ替えたりしても一般には意味が無いそうです。

Linux 環境の場合は、 JRE を別途インストールしてそちらを使うように設定することがトラブルシューティングの一つですが、その際も OpenJDK は互換性に問題がありサポートされていない。Oracle Java のみをサポートしているとのことでした。


今後はどうなる?

先の Processing ドキュメント「サポートされるプラットフォーム」中の Java Versions の項に、『現実的な次の選択肢は Java 11 だろうが、移行作業を行う協力者が居てくれなければ、当分は Java 8 を使い続けることになるだろう』との記載があります。

「Oracle の Java ロードマップはひどい」とも書かれていますね。


Processing には JRE がバンドルされていて、JDK は特に必要がないわけですが、そういう場合にも費用がかかるようになってくるのでしょうか?

Oracle社の QA に『Javaを独自開発のソフトウェアとともに配布できますか? はい。Javaは独自開発のソフトウェアとともに配布できます。ただし、Javaバイナリ・コード・ライセンス契約書の条項に従う必要があります。』とありました。

この「Javaバイナリ・コード・ライセンス契約書」を読めばわかるかな?と思いましたが、これはちょっと私には読みきれませんでした。


ロードマップのページには『アプリケーションとJREを一緒に配布することをアプリケーション開発者に推奨する予定です。より詳細の内容に関しては、2018年の早い時期にお知らせします。』という記載がありますが、有償/無償についても言及はありませんでした。

Oracle Java SEサポート・ロードマップ(再掲)


JRE に関してはこんな記事もありました。

自治体関係者らの間に不安が広がっている。Java実行環境(JRE)を使う自治体の電子入札システムなどが情報セキュリティを理由に使えなくなる恐れがあるためだ。

でも、これに限って言えば JRE じゃなくて Java アプレットの話じゃないでしょうか?

参考情報:Java のサポートポリシー変更等に関する技術レポート:内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/technique_report_java.pdf


JRE まで有償にしてしまったら Java の利用者が減ってしまい、ひいては JDK のサポートを受ける人(開発者)まで減ってしまって商売的にはうまくないでしょうから、 JRE は無償のままではないかと想像するんですが、どうでしょう?


Processing の開発元を支援すればよいのでは?

Java の有償化は Processing のユーザ側には直接の影響はなさそうです。

Processing 開発側は当分 Oracle Java 8 を使うことになり、ゆくゆくは有償のサポートを受けることになるのでしょう。
それに対しては我々ユーザが募金で開発プロジェクトを支援してあげればよいのではないでしょうか。

まあ、Java の有償化に限らず開発にはいろいろと物入りでしょうから、寄付はいつでも歓迎だろうと思います。


しかし、Oracleの嫌われようったら

調べてる中で、Processingの ビルド手順の文書中に Oracle についてこんなことが書かれているのを見つけました。

You may think that Oracle is evil incarnate and that the name is an acronym for “One Rich Asshole Called Larry Ellison”.

えらい言われようですね、こりゃ。

読んでくださりありがとうございました。





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