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『田口麗斗で本当に良かった』


-2021年3月1日-


ヤクルトがプロスペクト、いや生え抜きスター候補でもあった廣岡大志を放出して巨人から田口麗斗を獲得する衝撃のトレードが発表されました。


このトレードには両球団ファンのみならず、多くの野球好きが驚いたことでしょう。
一ヤクルトファンである私もとても驚き、その日の内に思いのままを綴ったnoteを公開しましたが、今でもあの日の衝撃は忘れられません。


今回のnoteではこのトレードについて、3か月弱経過した今の私が感じていることを記していこうと思います。



投手「田口麗斗」として。

ヤクルトに加入した田口麗斗は、オープン戦でも3試合11回で防御率2.45とキャンプ序盤での怪我を感じさせない順調な仕上がりを見せ、
トレード当初の思惑通り、開幕ローテーション入りを果たしました。

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そして迎えた自身の初戦は 3/27(土) vs阪神@神宮。
この試合は2.1回で自責点5と大荒れでしたが、それ以降、伊藤投手コーチとカットボールを改良するなどして7試合中6試合でQS達成と、殆どの試合で安定したピッチングを見せております。

中6日の間で、伊藤投手コーチとカットボールを改良し「真っすぐの高さのラインを全体的に下げることができた」とうなずいた。

また、先述の阪神戦を含め、神宮球場で投げた2試合目(4/27 vs巨人戦)も4回投げて自責点4と良いところがなかったため、神宮球場の特殊なマウンドへの適応も心配されましたが、
自身の神宮球場3戦目以降は2試合で合計13回,自責点2と、この辺りはさすが2度の2桁勝利経験者といった修正能力が伺えます。


(勝敗だけは何とも言えない気持ちになりますが)規定投球回にも到達しる+防御率もほぼ3点ちょうどと、本拠地を考えると素晴らしいの一言に尽きますし、本当に立派なローテーション投手と言えますね。

田口麗斗(2021年5月24日時点) 
8先発/44.2回/1勝3敗/防御率3.02/K/BB 2.92/QS率75%/WAR1.1


また、こうやってQS以上が安定して期待できる投球でローテーションを回してくれることで、どうしても登板が増えてしまっている1軍リリーフ陣の負荷を減らすことが出来ているように感じます。

加えて、例えばドラフト1位ルーキーの木澤尚文など、まだまだ2軍で調整したい投手を無理やり1軍に上げないでいることなど、
投手再建が至上命題のチームにとって、彼の加入は単なるローテーション投手以上のものをチームにもたらしていると強く感じております。


貴重なプロスペクト野手を放出してまで編成が獲得したかった田口麗斗という投手が、あらゆる面でチームに貢献してくれているという有難みを強く感じております。

小川GMは「先発もリリーフも両方経験していて実績もある。チームの力になれるような投球をしてほしい。賛否もあると思うが、投手陣の強化を優先した」と切実さをにじませた。2年連続12球団ワーストだったチーム防御率の改善へ。腹をくくった。



人間「田口麗斗」として。


私が今回のトレードで感じているのは戦力面のプラスだけではありません。

田口麗斗、いや愛称”マリモ”は持ち前の明るさと親しみやすさで、チームメイトは勿論ながらファンからも早々に受け入れられ、また早くもその人柄が多くのファンを魅了しております。

そして、巨人時代以上にTwitter(@taguchi90)での投稿が多くなっているようですし、ファンも含めて新しいチームに溶け込もうとしてくれるのが伝わってきて、私自身すっかり心を掴まれております。

※何より、変なハラハラがなく、安心して見れるTwitter運用をしてくれるのが本当に素晴らしいですね…(しみじみ)


そんな訳で、素晴らしい行動・投稿の数々から、私が特に感動した投稿を一部ご紹介します。やるぞやるぞやるぞー!


3/3 移籍後初投稿
スワローズ移籍のご報告Tweet。
この日は古巣・巨人とのオープン戦で、両方のファンに対して笑顔でファンサービスをしていた姿も印象的でした。


3/7 移籍後初登板@地元広島・マツダスタジアム
スワローズ移籍後初実戦は何の因果か地元の広島で迎えることとなりました。球場全体が彼の新天地での再出発を祝っていたのでしょうか…!

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4/20 移籍後初勝利!@地元広島(マツダスタジアム)
好投してもなかなか勝ち星に恵まれない中で、天敵・森下暢仁との投手戦を制して地元で移籍後初勝利!

本人のTweetでは近藤弘樹今野龍太というヤクルトを支える'95年組同級生移籍組投手陣、そして巨人時代のドラフト同期の奥村展征と共に登場しております。いやはや、本当にファンの心理を"理解(わか)"ってますね…。


5/16 ライアンHappyBirthday@ナゴヤドーム
小川泰弘
がマダックス(99球完封)を達成した後のTweet。
チームメイトの誕生日祝いにプレゼントを贈る姿もバースデーソングを歌う姿も、人の良さしか感じないですね。


5/22 ファンサービスも…!@神宮球場
神宮球場内で販売されているグッズに、若手投手陣でサインを入れるというファンサービスを行っていました。
以前にも田口自身で個人的に行っていましたが、今回はこの中では一番年上ですし、きっと若手投手陣を引き連れて実施したんでしょうね…!


改めてTweetを振り返ってみても、こうやってすぐにチームに溶け込む人柄、そしてファン想いな姿勢はまさに”プロ”野球選手。

廣岡大志もまたファンから人気のある選手でしたが、彼がチームを去ったという心理的なダメージが彼の一つ一つの行動や言動で限りなく少なくなっているように感じます。いやはや、本当に素敵な選手ですね…。

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そして廣岡大志も。


一方、巨人に移籍した廣岡大志は開幕後少ししてから1軍に昇格し、昨年ロッテから巨人に移籍した香月一也と共にプロスペクトとして期待されながら、”廣岡ガチャ”と愛されるロマンっぷりで一定の成績を残しました。

昨年から取り組んでいたセカンドでスタメン出場していたのも感慨深かったですし、チーム事情で抹消となる際には沢山の残念がる声が聞こえて心のどこか少しだけ嬉しかったことも覚えています。

そして、絶対的ショート坂本勇人の離脱に伴い5/11に再昇格し、吉川尚輝若林晃弘と共にショートのスタメンとしても起用されております。

そんな中でも特筆すべきは中日のエース大野雄大から今シーズン2本のHRを放っていること。昨年の沢村賞投手であり、言わずと知れた好左腕から既に2本放っているのは純粋に凄いですね。
(※スワローズ時代の対戦成績は通算で10打数2安打0HRの4三振だったんだけども…)

また、5/22の試合ではショート(スタメン)→レフト→ショートと守備位置を転々とするなど、今年だけで内野4ポジション+レフトで出場しており、持ち前のユーティリティ性が原監督の采配にとって良いピースになっていることも伺えます。

ここまでの成績も如何にも”彼らしい”ものとなっていますし、決して多くないであろうチャンスをしっかり掴み取って欲しいところですね。

廣岡大志(2021年5月24日時点) 
22試合 打率.231(43-9) 2本 4打点 OPS.741 WAR0.0




最高のWin-Winトレードとなるように。


衝撃のトレードから3ヶ月弱が経過し、(結果論の部分もありますが)巨人は怪我人等の影響で特にリリーフ陣の運用が難しくなっておりますし、
ヤクルトも複数ポジション守れる強打の若手右打ち野手を失ったダメージは大きく出ているのもまた事実です。

しかし、そのようなリスクを負ってでもチーム強化のために動いたトレードが、現時点では双方のチームにおいて意味のあったことだと改めて分かったような気がしています。
どちらが得した/損したの視点で語られがちなトレードですが、理想はどちらも得したWin-Winトレードであることは言うまでもないですからね。

現時点、という意味でのチームへの貢献度はWARを見ても田口麗斗(WAR1.1)の方が廣岡大志(WAR0.0)よりも上であることは間違いないでしょう。
ただ、より将来的な視点でトレードを行ったのは廣岡を獲得した巨人側でしょうし、数年後に改めて評価した時に高いレベルでのWin-Winトレードになっていることを心から願っております。



トレードが発表された時には様々な声が聞こえましたし、それを見ながら私自身も色々なことを考えていましたが、
3か月弱経った今、これだけは胸を張って言えるでしょう。



『田口麗斗で本当に良かった』と…。


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