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エピソード(EIX-2):歩きを伴う多様な稽古-旋遊、這、摺り足、経行、巡礼

実際に「旋遊」を行うと、その動きは「阿波踊り」の男踊りに近い動作である。
興味を持って、男踊りの起源を少し調べたが、はっきりとはわからない。
阿波踊りは両手を肩の高さで前後させる。後頭部から回して前へ出すものではない。

むしろ「旋遊」は「皿回し」の動きと関連すると理解して、肩甲骨を巡る左右交互ストレッチと考える。実際にやってみると全身からのストレッチの喜びを感じることができる。

また中国拳法の大気拳でも身体を低い位置にして体重を移動する「(はい:辶に言)」や「」という稽古がある。「這」はゆっくりと進む。
最も基本的な身体を作る稽古と位置付けられている。

先に少し述べた「すり足」も、こうした歩きのエクササイズである。
相撲における「すり足」稽古はテレビでも学生相撲稽古などでよくみる。
「すり足」は古来の日本の訓練法として能の所作、小笠原流流鏑馬の稽古、また日本の武道としての柔道、空手でも取り入れられている。
最近では体幹筋である大腰筋に関しての効果が注目されている。

しかし、西野流呼吸法の歩きは武道とは直接関係はなく、やはり左右両腕の大きな巡りと前方への想いに意義があると思われる。

一方、禅宗においても、座禅と座禅の間に歩く修行がある。
経行(きんひん)」と呼ばれている。
単に座禅を組んで曲げていた足を伸ばすというものでなく、「歩き禅」とも呼ばれるように、ゆっくり歩きながら瞑想をする感覚で、実際に行うと大変気持ちが良い。
禅堂の中で、あるいは禅堂の軒下を、静かにゆっくりと進む。

ここまで書いて、呼吸とLocomotionは関連ある原点に気付いた。
共にCPG(central pattern generator)としてのbuilt-in神経システムである。

巡礼や山伏山岳信仰(登山)などの宗教活動も関連するか?
巡礼は日本でも、キリスト教圏でもイスラム教圏でも盛んである。

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