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エピソード(EV-5):西野流呼吸法「華輪」稽古の不思議:地球上動物進化のいろいろな身体を感じる稽古

西野流呼吸法を習っていると、いろいろと動物の身体の進化のことが、思い浮かぶから不思議だ。
かなりの人達が同じような感覚を持つようである。
 
腕を振っているにもかかわらず、腕がないような感覚を持つことがある。
立っている自分は、身体の中心の脊柱と背筋群のみ、あるいはいわゆる「体幹」で自分は動いているという感覚である。
 
 
我々は二足歩行が可能となり、両腕が自由になり、その手指を使って今日の文明へ、数万年をかけて進んできた。
それほど両腕、両手は大切で、通常はその感覚に頼っている。
しかし、華輪を数年以上やっていると、身体の本体は脊柱と背筋群(すなわち体幹)だと感じられるようになる。
 
あるいは逆に、この感覚を身につけることが、西野流呼吸法を稽古する意味かもしれない。
 
何度もいうように脊椎動物のボディープランで、進化の古い魚類(硬骨魚類)では、哺乳動物の両手は前鰭で、両足は腹鰭である。
さらに詳しくいうと、これは昆虫からヒトまでorthologと呼ばれる共通のホメオボックス遺伝子(身体軸に沿っての形態形成遺伝子)等が規定する事実が知られている(Wikipedia、URL、ホメオティック遺伝子https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9)。
 
華輪で身体軸が回旋している時、両手の感覚はヒレ程度に感じることがある。
不思議なことに数千万年をかけて、両手、両足を退化させ水中に特化したクジラや、イルカなどの哺乳動物が存在する(参照、エピソード(EV-2):身体の軸と節、そして四肢-脊椎動物の多様性の不思議、URLhttps://note.com/deepbody_nukiwat/n/n0b8882bad5d6)。
ヘビにしてもこうした四足は痕跡として残っているのみである。
 
華輪を振りながら、自分の身体がこうした脊椎動物進化を思い出させるのは、この呼吸法の「不思議」で最も面白い点の一つである。
華輪稽古で身につけた身体があって、対気の稽古に進める。
そもそも華輪とは体軸・体幹感覚を自然に身につける合目的的なMethodsかもしれない。
 
この点に体幹操作としてのバレエ感覚を持つ西野皓三先生のオリジナル性がある。
初期には1時間程度も華輪を振っていたと聞いている。深い。

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