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新しい“ローカルな宿”のかたち。「まちやど」ってなんだ?

「まちやど」って知ってますか?

日本じゅうの「まちやど」をめぐる旅をしたいと妄想中の伏見町子です。
2018年3月12日(月)、日本まちやど協会のみなさんと一緒に「第2回まちやどシンポジウムin瀬戸内」を伏見町で開催しました。

……..まちやどってなんだ?

今日のテーマはこれです。

まちやど協会代表理事の宮崎晃吉さん曰く、「まちやど」とは、「まち全体をひとつの宿と見立てた宿の仕組み」なのだそう。あえて宿泊施設の中に機能を集約せず、まちのなかに点々と散らばっている魅力的なスポットや店舗、機能を宿とつなぎ合わせ、訪れた人にまち全体を楽しんでもらうという新しい宿泊の形です。

ところで、いま日本に訪れる海外の観光客の数ってどれくらいでしょう?

この日、ステージ上で紹介された国土交通省発表の調査結果によると、2017年度の訪日外国人の数は2,869万人。2014年の1,341万人と比べるとおよそ倍。さらにその数は、年々増加傾向にあるのだそう。

では、訪れる人たちは何を期待して日本にやってくるのでしょう?

東京の谷中で宿泊施設「hanare」を営むなか、宮崎さんは、「団体旅行から個人旅行へと変化し、消費の矛先も目的も買い物などのモノ的なものではなく、『旅先で何をするのか』などの“コト的”な消費にシフトしている」ように感じると話します。

例えば、彼らはレストランで高級な和食を食べることより、地元の人たちが普段から通うような飲食店で「定食」を食べる方が特別な体験だと感じるのだそう。定食……、なかなか渋い体験……。でも、そんな、いままで売られてきた旅からすると、「地味!」と言われてしまいそうな何気ない“地域の日常”が支持されているのです。「まちやど」はこれを最大の価値と捉えて、これまでにない唯一無二の宿泊体験を提供しています。

例えば、hanareでは宿のスタッフが“宿のスタッフ”の役割にとどまらず、いわば「まちのコンシェルジュ」として宿泊客を出迎え、オススメのスポットはもちろん、まちを巡るためのマナーも(!)教えてくれるそう。そして、お客さんたちはオリジナルのまちマップを片手に散策へ。「レンタサイクルするならこの自転車屋さん」、「お風呂に入るならこの銭湯」、「夕食なら地元の人たち行きつけのこの店」……など、オススメを参考にまちに散らばる点を辿りながら、まちのありのままの日常を楽しむのです。

「これまでの旅館業は、いかにコンテンツを宿のなかに取り込んでいくのかを考えていたと思います。それに対してまちやどは、まちにある既存のコンテンツを繋いで、まちぐるみでひとつの宿のような機能を担う。宿泊客をまちに送り込むことで、まちにお金が落ちれば、地域がどんどん豊かになる仕組みです」(宮崎さん)

私たちがいま伏見町に描いている宿も、こうした「まちやど」の形であるべき。

北九州市小倉で「Hostel and Dining Tanga Table」を運営し、まちやど協会の理事、「瀬戸内ディープライン構想」のメンバーである、らいおん建築事務所の嶋田洋平は、伏見町を見た時、「ここにはお宝がたくさんある!と思った」と言います。お宝……?? 地元の人たちが、「昔は良かったんだけどねぇ」「空き家が多くてねぇ」とちょっと自虐的に話すこのエリアを、どんな角度から見て、お宝なのでしょう。

実は、福山駅前のエリア一帯は1986年に再開発の計画があったものの2016年に中止され、伏見町には空き家となった古い物件が数多く残されています。一見すると、取り残されてしまった空き物件の山。しかし、そんな伏見町を、「いわば30年前に凍結保存された手付かずの自然」と嶋田は例えます。
たとえば、そんな保存版の空き物件を少しだけ変身させて、まちやどの機能としてつないでみたら……。

そんなふうに「お宝」だと思ってまちの細部を見直してみると、見えていなかったまちの可能性が見えてくるのです。

瀬戸内への旅の玄関口
福山駅前のまちやど「AREA INN FUSHIMICHO FUKUYAMA CASTLE SIDE」
公式Webサイト
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住所:伏見町4-33 FUJIMOTO BLDG. 1F(RECEPTION)

AREA INN FUSHIMICHOは、まち全体をひとつの「宿」と見立てた「まちやど」です。泊まる、食べる、くつろぐ、学ぶ、遊ぶ、さまざまな要素がまちのなかに散りばめられています。チェックインを済ませたら、伏見町、そして福山のまちから瀬戸内への旅へ。

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