#6 雨下の迷い者たち
「なあに? おテンさまにいってごらん?」
僕は、今までにあったこと、助けた女の子の話をした。合唱コンクールの伴奏者がいなくて困っていたこと。ピアノなんて弾けないくせに、引き受けてしまったこと。
話しながら、テンとか、周りにいたかえるやカタツムリの様子が変わっていくことに気が付いた。なんか僕、変なこと言った? 悪いことを言ってしまったような、そんな空気になった。え、でも別に、おかしなこと言ってないのに。かえるたちはいつの間にか僕の周りから逃げて、テンの後ろに隠れていた。震えて