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<後編>JobRainbowのこれから:選んだ社会の変え方は経済の中心から、ビジネスで。

記事<後編>では、株式会社JobRainbow 代表取締役CEOの星賢人に、JobRainbowがめざす未来について聞きました。
前編はこちらから▼

INTERVIEWEE


01. JobRainbowがめざす社会

Q:それでは、JobRainbowとして、これからどのような未来を目指していきますか?

星:
「JobRainbowのビジョンは、『差異を彩に。自分らしくを誇らしく』です。
『ちがい』は誰もがもっていて、『ちがい』こそが人の価値、存在している理由だと思うんですね。もし世の中に自分と全く差異のない人たちが何万人もいたら、おそらく、自分を定義できなくなってしまうと思います。例えば、色は、青色や黄色などほかの比較対象があるから、赤色を赤色だと認識することができるという...、色ごとに識別できるのは、差分があるからだと思うんです。

差異を彩へ
JobRainbowのビジョン「差異を彩へ」

人とちがうことが怖かったりとか...、特に日本だとそうだと思いますが、(ちがいは)その人の魅力や強み、自信に繋がったりもする。同じ『ちがい』でも、人によってそれを強みだとも、弱みだとも感じる瞬間があると思っていて、それは何が違うかというと、個人がどのようにその「ちがい」を捉えるかというところだと思うんですね。そして、その人の主観的な部分を変えるのは、環境だと思うんですよ。
そういう意味で、JobRainbowではミッションとして、『個になめらかな社会へアップデート』というのがあります。今の社会は、『ちがい』をもっている人を同じ型に当てはめようとしたり、ポジティブに受け取られる「ちがい」とそうでない『ちがい』があったりするという、その型がすごく画一的で生きづらい世の中だと思うんですね。

昔は、そういった同質性が高いことで社会が豊かになる仕組みがあったと思うんです。大量生産だったり、同じような社会様式で国家の最小単位としての『家族』というものがあったり......、それによって国全体が繁栄して個人の幸せが増大して...という歴史的な流れがあったかもしれないですけど、今はテクノロジーが発達して、個人個人に合った情報や環境を提供することがかなりできてきていると思っていて。でも、技術的にはできるはずなのに、現実には提供できていないことがたくさんある。

例えば、リモートワークやテキストベースで電話ができるとか、働くということにおいても、かなり『個になめらかな社会』がつくれるはずなのに、テクノロジーの進化に対して人の考え方やマインドの進化が追いついてない。そういうもったいない状況があると思うからこそ、この社会環境や構造、ルール、システムというものを、破壊して再構築していくということが『個になめらかな社会にアップデート』することだと思っています。
まずそれに、会社として挑戦していきたいです。

02.  「D&Iのルールメイカー」へ。10年後の社会の当たり前をつくっていく

星:
「では、事業としてどうやるのかという話なんですけれども、まず一つ目に、D&Iのルールをつくっていくこと、市場の不文律をつくること。
やはりD&Iは、以前まで、不確かで曖昧なものだったと思うんですね。3、4年前までは、『ダイバーシティといっても女性活躍しかやっていません』というように、矛盾した実践をする企業が多かった。世の中に誰も(D&Iの)ルールをつくらないから、企業も何をしたらいいかわからない、何を目指したらいいかわからないという状況でした。

でも、日本国内ではまだまだですが...、世界的に見たらかなり体系的に情報もまとまってきて、日本国内でもマイノリティ当事者個人の声などが拾い上げられたときに、(以前に比べて)体系化できるようになってきたと思うんですね。

いち早くD&Iのルールメイキングをしていって、『今、私たちがやるD&Iはこれだよね』というものを、毎年アップデートしながら社会に提供して、企業の動きの指数関数的な加速を促していく。
そのために、D&Iアワードを立ち上げたというのがあります。そしてそれを経済の仕組みのような、何か絶対的なものにしていくというのがまず私たちのやるべきことで、そしてそのルールにたどり着くために企業のサポートをするのが、DEIBラボ事業が担うD&I検定であり、研修やコンサルティングであるという位置づけになります。
そこから、インクルーシブな環境をつくっている会社にどんどん人が集まるようになり、結果としてD&Iに取り組む会社が伸びる状態をつくるところまでをサポートするために、ダイバーシティ採用事業が存在しています。

ですので、D&Iアワードは上場企業4000社のうち1000社、つまり4社に1社がD&Iアワードに参加しているという状況をつくるのが大事だと思っています。その次に、D&I検定は、まずは今から5年で、年間20万人規模で受けてもらえる、毎年受けてもらえるサービスを目指していくことで、人材育成や企業カルチャー醸成などのソフト面からも企業の不文律をつくっていきます。

ビジネスにおいてD&Iが当然の『(ビジネス)スキル』としてあり、それを実現するためにD&I検定がある、という状況にしていき、そこに付随して、コンサルティングや研修を提供する企業をどんどん増やしていきたいと思っています。
JobRainbowはマイノリティだけの採用をやっていると思われがちですけども、もちろん課題解決として(マイノリティの採用は)優先度が高いのですが、ただ将来的には、ダイバーシティ採用は、日本中、世界中の採用のスタンダードになると思っています。『(JobRainbowは)何か未知の領域をやっているよね』と言われるんですけども、『いや、そうじゃなくて、10年後の当たり前をつくっています』という気持ちでやっていますし、ダイバーシティ採用が当然になったと言われるような時代をつくっていくのが、事業として、私たちのビジョンやミッションを実現するために必要なことだと思っています。」

03.D&I市場を開拓。5年後のIPOを目指す

Q:ありがとうございます。「スタートアップ」であるということで、上場やM&A、最近ではコミュニティイグジットという選択肢も言われていますが、目指すところの一つとして、イグジットがあると思うんです。JobRainbowはどういった形を目指していきますか?

星:
5年後のIPOを目指します。そのために、再来年(2025年)には上場準備に入っていたいと考えています。

Q:なぜ、IPOなのですか?

星:
「私たちがやりたいことは、『社会のルールをつくること』であり、『D&Iという新市場を開拓していく』こと、D&Iのフロンティアを切り拓いていくことです。

私たちが(D&Iに特化した企業として)日本初の上場をするというのは、D&Iという難易度が高い市場をつくることの大きな一つのマイルストーンですし、D&I市場への社会的な信用が高まる瞬間でもあり、社会からも「D&Iという大きなマーケットがあるよね」という認識をされることだと思うんですね。やはり、D&Iは社会的な信用や確からしさがまだ弱い。けれども、IPOをすることでその信用度が一気に高まると思っています。
私たちが上場することができたら、ほかのD&Iに取り組む会社にも、お金や人がもっと集まる、そして市場がより大きくなるという循環を生み出すことができるとも考えています。

もちろんIPO自体はゴールではないですが、一つのマイルストーンとして目指していかないといけないことだと考えています。」

04.JobRainbowで挑戦する「おもしろさ」とは

Q:では、「D&I市場の開拓」「D&Iのルールメイキング」に挑戦していく面白さや魅力というと、どんなことがありますか?社会経済状況の変化なども考慮しながら....いかがですか?

星:
「今、労働市場が劇的に変わっていますよね。日本は、少子高齢化で労働人口が減っていく、そしてできるだけ移民を受け入れないという方針の国なので、爆速で労働人口が減りまくっている国です。高齢者を支えるために、介護は絶対に必要になってくるという形で、経済に対する付加価値が生みづらいとされている領域かつ労働集約的な領域で労働力が必要になることがこれから増えていくので、国としてもダイバーシティ&インクルージョンをやらないとどうしようもないという。女性活躍推進法改正、障害者差別解消法改正、LGBT理解増進法、介護や育児に関しても育児介護休業法の改正や、ハラスメントに関する法律の改正など、企業でもものすごい勢いで労働関係の法規制の部分を変えようという動きが起きていて、この動きの加速度は高まっていく。なぜなら、労働人口が今より増える未来は、これから20年間の日本の人口動態を考えるとありえない話だから。それが確定した日本の未来の中で、D&Iは絶対にやらないといけない、世界で一番やらないといけない国になっていくことは間違いないという、市場環境の話があると思うんですね。

一方で、正直なところ、日本は経済停滞をしてしまっている国であるとも思っていて、働ける人も減っていき、賃金も上げられない国になると、企業のモチベーションがどこに向かっていくかというと、非金銭的な価値を高めていくというところにどんどん舵を切っていって、非金銭的報酬に投資していくようになると思うんですよね。
そういうときに、既存の就職のプラットフォームでは、金銭的報酬をベースとした価値観であることがほとんどで、それ以外の要素では就職活動をするのが難しいですよね。つまり世の中のトレンドと逆行している状態からなかなか動けていない。大企業のイノベーションジレンマが起きているので、この超巨大な変化に、労働市場の人材業界が対応しきれていないところも、JobRainbowにとっては大きな後押しだと思っています。

そういう意味で私たちの事業は絶対に伸びることは間違いないと、今年に入ってやっと確信したんですね。これからの5年は、特にワクワクすると思います。」

05.その未来に、だれと挑戦するか。
難易度が高いからこそ、おもしろい

Q:D&Iの市場をつくる、D&Iのルールメイキングをしていくという、JobRainbowがめざす未来には、どのような仲間と一緒に挑戦していきたいですか?

星:
「もちろん、D&Iの一番の根本は人権なので、そこを抜きにしては語れないと思っています。本来は、(D&Iは)経済的なメリットが企業になくても、絶対にやらないといけないと思っているけれども、そこに行き着くまでの間では、やっぱり経済的メリットを追わないといけないような場面があると感じています。

それを実現する組織にしていくという意味で、JobRainbowという会社をビジネスとして成長させられるマインドと、ある種のタフさがとても求められると思っています。ダイナミックにマーケット創りに挑んでいける人、マクロな視点を持って事業を成長させられる人と一緒に挑戦していきたい。ビジネスとしての成長の先にビジョンの実現があると思っていて、マクロ視点を持ちつつも目の前のことにタフに挑戦できるような方と取り組んでいけたらと思っています。

その上で、今のフェーズだと、新しいことを創造していくことがまだまだ色々なところで求められていて、今の(JobRainbow)メンバーは日々それを実現しています。
例えば、ダイバーシティ採用事業を一つとっても、そもそも採用はかなり型の決まったビジネスですけども、私たちの営業の仕方はかなり特殊で、「何人が採用できて、何人当たりの採用単価なので、コストパフォーマンスいいですよ」という訴求の仕方をしていないんです。採用目標人数が充足したという意味での「採用がうまくいきました」ということはいっさい求めてない。そうではなくて、私たちが求めているのは、私たちのダイバーシティ採用を通じて、その会社が多様な人材と出会って、会社が学んで、一緒に会社が成長していくことで最終的に企業価値が高まっていくこと。
そういった一つひとつをとっても、新しいやり方で新しい市場を創造していくという観点で取り組める人が、今私たちが出会いたい人、一緒に挑戦したい人です。

D&Iは、世の中で『これは絶対伸びる』とみんなが言ってるような市場ではないと思うし、世の中で誰も気づいていないか、もしかしたら想像できていないかもしれない。

だから(D&Iの市場は)、本当に私たちの会社・事業の規模、売上の規模がそのまま市場の大きさになってしまうぐらいの、それくらいの領域だと思うので、すでに注目されてぐんぐん伸びている市場で戦うより、『私たちが市場なんだ』という意気込みで、難易度が高いことにやりがいを感じられる人が、まさに今JobRainbowが求めている人物だと思います。
売上を伸ばしていくような数字ゲームを追い求めるだけなら、正直にいうと、ほかのスタートアップのほうが経験できると思います。でもそうではなくて、自分たちで市場を切り拓いていく、という意味でのダイナミックな成長がしたいという方にとっては、難易度が高いからこそ、JobRainbowでの挑戦を楽しめるのではないかと思っています。」


ビジネスで、新市場の創出に果敢に挑んでいける仲間ということですね。
JobRainbowがこれからどのように進化していき、どのような進化をつくっていくのか楽しみですね。
ありがとうございました。



\JobRainbow 採用説明会 開催決定!/2024年1月25日 18:00〜

JobRainbowでは、D&I市場の創出に、共に本気で取り組んでいく仲間を募集しています。
そこで2024年1月25日に、JobRainbowメンバー登壇の採用説明会を開催します!

説明会では、JobRainbowメンバーが多数登壇。会社の成長・経営戦略から事業説明、これからの挑戦、メンバーのリアルな声まで、聞くことができます。説明会最後には、交流会も予定!
お申込みはこちらから▼
https://forms.gle/aLGBodxjiFCesJin8

<開催概要>
・2024年1月25日(木)18:00〜19:30
・オンライン(zoom)

<こんな方におすすめ>
・0→1の事業創り、1→10の事業成長をしていきたい
・ビジネスで社会のD&I前進にコミットしていきたい
・シード期のD&I特化スタートアップで業界初のIPOを目指したい
・D&Iという新市場の創出・開拓に挑戦したい
など。

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