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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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#読書

エラ・フランシス・サンダース『翻訳できない世界のことば』

エラ・フランシス・サンダース(著)前田まゆみ(訳)『翻訳できない世界のことば』を読む。 …

既視の海
10か月前
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村上春樹『眠り』、バンド・デシネ版『眠り』

村上春樹(原作)PMGL(漫画)のバンド・デシネ『眠り』(HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)と、原…

既視の海
1年前
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はじめての小林秀雄

「批評の神様」とよばれる小林秀雄を読んでみたい。しかし、レトロな表紙の文庫本『モオツァル…

既視の海
1年前
66

倉橋由美子『あたりまえのこと』を読む。もう何度目か分からない。40代と60代にそれぞれ書いた小説論。小説をおもしろくするのは「何を書くか」よりも「いかに書くか」。彼女の二人称小説『暗い旅』はその極み。強く薦める。あの村上春樹作品のラストを「ありえない」とばっさり斬るのも一理あり。

既視の海
1年前
11

永田希『積読こそが完全な読書術である』を読む。古今東西の文献を渉猟し積読のうしろめたさを払拭しようとする試み。投資のポートフォリオにたとえた「ビオトープ的積読環境」の提言は秀逸。ショーペンハウアーの半生は冗長で、第三章以降は無理に積読へこじつけのような印象もある。次は『再読』本。

既視の海
1年前
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【書評】青山美智子『お探し物は図書室まで』

つながる。おどろく。おもしろい。 この三つが、子どもの頃からの読書を支えてきた。 本を読…

既視の海
1年前
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宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』を読む。婚約破棄されたOLの明日羽が叔母ロッカのすすめで「やりたいことリスト」を書き、実践し、自分を見つめ直していく。やりたいこと探しよりも、できることを増やす。毎日の暮らしを整えていく大切さを再確認。いい本というのは、勇気を与え、行動を促す。

【書評】ドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』

静かな物語。そして切ない。登場人物は少なく、情景を描くのも最低限に絞られているが、心理描…

既視の海
1年前
11

【書評】エリエット・アベカシス『30年目の待ち合わせ』

登場人物の感情移入と物語への没入だけが読書の楽しみではない。運命であれ因果であれ、人間関…

既視の海
1年前
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奇妙だなと思ったことを何でも自分自身のまじめくさった冷静さとのたくまぬ対象で表現する——レベッカと、長い首、楕円形の眼、頭を少し傾けて手のひらを伏せて膝に乗せる——モジリアニ風のジョーンと会ってみたい。『グリニッジ・ヴィレッジに雪が降る』(ジョン・アップダイク「同じ一つのドア」)

既視の海
1年前
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