言語は人生を変えるのか。物語も人生を変えるのか。
ある詩集をもとめて、独立系書店をさまよっていた。書名とたたずまいに惹かれて手に取ったのが、温又柔[文]きたしまたくや[絵]『日本語に住みついて』というエッセイ集だった。
温又柔。いちども著作を読んでいないのに、懐かしさを覚えた。台湾で生まれ、3歳で来日。台湾人だが、中国語や台湾語よりも日本語に馴染んでいて、小説やエッセイも日本語で書いている。だが、自身も台湾人と日本「人」、そして母語と母国語のはざまで揺れていたり、そのことで謂れのない暴言を浴びせられたりして、Twitter