暴力的な子がいるらしいよ

私には娘がいます。

現在は小学生ですが、彼女が幼稚園の頃の話。


どうやら同じ幼稚園に暴力的な子がいる。

そうママ友から聞いた事がはじまりでした。

たまたま、うちのことは別のクラスの子ではありましたが、いつ同じクラスになるか分からないと思うと少し不安でした。

その後時々、その子についてママ友から話を聞くようになりました。

その子の暴力や振る舞い。

ママの叱り方が良くないなど、あまり耳障りのいいものではありませんでした。

次の年うちの子は、その子と同じクラスになりました。

何かされていないか心配だった私は時々、うちの子に叩かれたりしていないかなど聞きましたが、特に何もされていませんでした。

そんな中、授業参観がありました。

私は自分の子を確認しつつも、その子の動向を観察していました。

ママ友から聞いていたのは、狡猾な悪魔のような子供でしたが、私の目にはそんな風には見えませんでした。

確かに、何かみんなで取りに行く時、後ろから来た子にドンと押された、その子は叩き返していました。

飽きると、教室を抜け出して走っていってしまいました。


狡猾???

悪魔???


私には、多動(発達障害)に見えました。

その後の事です。


急に、その子のママが、

どうしてあなたは、、、、!!!!

あなたのせいで、、、!!!

と怒り出しました。

恐らく、噂で色々聞いているであろうママ達の冷ややかな視線がそこにはありました。


私には、そのママがとても辛そうに見えました。

そのママは比較的若く、発達障害など思いもよらない感じだったのでしょう。


なんとかしたい。

そう思いました。


なぜなら私自身も彼と同じ発達障害だったからです。

私の頃には、発達障害などありませんでした。

ただ、めいわくな子。

そんな印象のまま、置き去りにされました。

でも今は、違います。

学校も行政も、きちんと対応してくれます。

でも重要なのは、まわりの空気です。

まわりの空気が、発達障害を許さなければ、受け入れなければ、せっかくの制度もなんの役にもたちません。


私はまず、ママ友に彼が発達障害である可能性を伝え、彼のママがいかに大変であるかを伝えてみました。

発達障害の子にたいし、どうやって接するべきか勉強し、伝えるようにしました。

そして、なるべく彼に話しかけるようにしました。

ママ友から、彼の話が出る度に発達障害の話をし続けました。

そのうち、彼のことや彼のママの事を悪くいう人は減っていきました。

そして彼は小学生になり、彼は支援を受けるようになりました。

彼は現在、娘と同じ学校にいますが、支援を受ける前に比べて、暴力的な振る舞いはなくなり、言葉や知能、表現力も格段に良くなりました。

私は、彼を見るたびに思います。

彼が曲がらずに真っ直ぐに良いところを伸ばしていける世の中であって欲しい。

そう切に願っています。


しかしその一方で、全く支援を受けられない子もいます。


それは、別の学校でのこと。

やはりそこにはかなり暴力的な子がいると。

しかし、まったく支援が届かない。

親や祖父母が、支援を拒否し続けているからです。

その子の暴力は、相手に後遺症が残るほどになっており、刑事事件にまで発展しています。

しかし、行政は手が出せない。


発達障害について、以前より多くの情報を目にするようになりました。

しかし、もし自分の子が傷つけられたら、目の前で暴力を振るっているのを見たら、親は冷静ではいられません。

子育て方法を学んでいるママほど、辛辣な意見を言うかもしれません。

おおよそ殆どの発達障害の子の親は孤立しがちです。

しかし親や子の孤立は、不幸の連鎖を生みます。

情報がなければ、気がつかないのです。

気がつかなければ、支援が遅れます。

支援が遅れれば、被害は増えるのです。

恐れず踏み込まなければ、被害者は増え続けます。

発達障害の子

その親

暴力を受けた子

暴力を見た子

その親

先生

子供の頃なら、大人の倍のスピードで回復出来るのです。

もっと踏み込んだ支援をしなければ、不幸の連鎖は止まりません。

どうか、一人でも苦しむ子供が減りますように。


これが私の書くきっかけです。




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