見出し画像

ノトコレブック 応募前にチェックしてね!【縦書き原稿のルール】

マスク文庫や縦スク文庫など、これまでにもさまざまな魅力的な企画をご用意してくださるミムコさんが、5月21日(日)開催の「文学フリマ東京」に向けて『ノトコレ ブック(noter Collection Book)』を企画されました。

詳細は、こちらから。

画期的なのは、
お客様が好きな作品(リフィルに印刷)を、好きなだけ選んで購入し、リングバインダーに綴じて、自分だけの一冊の短編集を作れる――
という点です。

コンセプトは、
『気軽に(安価で)買えて』
『選ぶ楽しみがあり』
『作家と出会える』
ね、すてきでしょ。

たくさんのnoterさんが、わくわくしながら応募を考えていらっしゃることでしょう。私もその一人です。
そんな皆さまに、ささやかなお願いがあります。

リフィルのフォーマットを整えて印刷し商品にする。
バインダーを手作りする。
それらをミムコさんが、お一人でされます。
その負担を少しでも減らせたらいいなあ、と思いませんか。

縦書きのフォーマットに作品の文章を流し込まれるそうですが。
皆さんがふだんnoteで書かれている小説や記事は、とても自由度が高い。
そこがnoteのいいところなんですけど。
レイアウトが統一されていないと。「自分で編集する短編集」というコンセプトが活かされませんし、読みにくさにつながります。またnoteは横書きなので、単純に縦書きにした場合、いろいろと不都合な点もでてきます。
ミムコさんがお一人で手作業で修正されるのは、想像しただけでたいへん。

そこで。
「縦書き原稿のルール」に準じていただけると、規格が統一されて見た目にも美しくなります。作文の原稿用紙の使い方(小学校で習いましたよね)とほぼ同じなのですが、いくつか異なる点があります。おそらく本のレイアウトの美しさを追求した結果、生まれた慣習だと思います。

お気に入りの小説を開いてみてください。
出版物のたいていは、これから私が「こうしてくださいね」とお願いするようになって‥‥いませんか。
こんなふうに。

羽州ぼろ鳶組③『九紋龍』今村翔吾氏 著/祥伝社文庫 152ページより

「縦書き原稿のルール」

(1)段落の冒頭は、1字あける。

 そんなのわかってるよ、という声が聞こえてきそうですが。広告のコピーなどでは段落の1マス落としをせずにブロックで組むこともあります。そのほうがレイアウト的に美しいことも、まま、あります。
 けど、ミムコさんは岩波文庫のようなすてきな装丁をフォーマットにしてくださっています。この雰囲気にぴったりなのは、「正統派の縦書きレイアウト!」と思いませんか。
 段落を改めたら、行頭は1マスあけてください。

 
また、不必要に段落と段落のあいだの行をあけないようにお願いします。
一文ごとに数行あけている文章を見かけます。noteでは横書きで下にスクロールして読むのでそれも効果的なのですが、縦書き文章で何行もあいていると、読者が読みにくくなります。今回はページ数も限定されています。必要(場面転換等で)な場合を除いてできるだけ詰めてみてください。 


(2)数字は漢数字で。

 noteが横書きのため算用数字を使いたくなりますが、年号等も漢数字が基本です。
(例)
  〇「一九七八年五月二十一日」
  ✕「1978年5月21日」
  ✕「1978年5月21日」
 横書きにすると読みにくいですが、縦書きではこれが基本。

縦書きにすると、こんなふうになります。漢数字のほうが美しいですよね。


(3)会話文のカッコの処理について。

 これが、ちょっとややこしくて手ごわいです。カッコの処理は、いわゆる作文の原稿用紙の使い方とは異なります。よ~くご注目ください! 

① 会話文のはじまりのカッコ「 は、1マス落としません!
つまり、始めカッコ(開きカッコともいう)は行頭の1字目に置きます。
(例)
「それ、ちょうだい」‥‥‥〇
 「それ、ちょうだい」‥‥✕

② かぎカッコの「閉じ」の直前には句読点を置かない。
これも、作文の原稿用紙の使い方と異なる点です。注意してください。
(例)
「それ、ちょうだい」‥‥‥〇
「それ、ちょうだい。」‥‥✕


(4)「!」「?」について

 「!」や「?」の直後は、1マスあけます。つまり、全角スペースを入れます。
(例)
  〇 桜ですか? なんてきれい!
  ✕ 桜ですか?なんてきれい!

 ただし、閉じカッコの直前に「!」「?」を使った場合は、全角スペースをいれません。
(例)
  〇 「桜ですか? なんてきれい!」
  ✕ 「桜ですか? なんてきれい! 」


(5)三点リーダーとダッシュは2つ繋げて使う。

 いわゆる点々ともいう三点リーダー「……」と、ダッシュ「――」は1つ使いではなく2マス続けて入力します。つまり、点なら6点になります。
(例)
  〇 桜ですか……、なんてきれい――
  ✕ 桜ですか…、なんてきれい―

※<注意!>「長音(伸ばす音)は1つ使いです!」
「チョコレート」のような語尾を伸ばすための長音は、1マスで使います。
ダッシュ(――)とは、文章に余韻や含みをもたせるときに使う記号です。(会話ではない心情を目立たせるときに使われる作家もいます)
(例)
  〇 チョコレート 
  ✕ チョコレーート
  〇 サッカー
  ✕ サッカーー
  〇 やったー
  〇 やったあ・やったぁ
  ✕ やったーー


(6)ルビについて

 noteのルビ入力のしかたは特殊です。そのため、このままフォーマットに流し込むと、ルビの部分が漢字の後ろにひらがなで追加されてしまいます。こんなふうに。
(例)
  じっとにらんだ。→じっと睨にらんだ。

 これでは、ルビとひらがな表記の見分けがひと目ではわかりません。ルビ表記を探す作業は困難を極めてしまいます。
 そこで。ルビは丸カッコ(  )で囲んでください。
(例)
 じっと睨(にら)んだ。


(7)数量単位は、カタカナ表記で。

 メートルやキロなどの長さや質量などの単位は、英文字表記ではなく、カタカナ表記が基本です。
(例)
  〇 二十メートル
  ✕ 二十m
  ✕ 20m


✻ ✻ ✻

あれこれ細かいことを記しましたが、「縦書き原稿のルール」として、またミムコさんの負担をできるだけ少なくするためにも、心にとめていただけるとありがたいです。
既存記事で応募を検討されている方は、たいへんお手数なのですが、この「縦書き原稿のルール」を参考にして応募前にチェックしてみてください。
これから書下ろしを考えていらっしゃる方も、「縦書き原稿のルール」を頭の片隅において執筆していただけると、いいなあと思います。

文庫本らしいすてきな装丁にしあがることまちがいありません。
どうぞ、よろしくお願いします。




 

この記事が参加している募集

つくってみた

文学フリマ

サポートをいただけたら、勇気と元気がわいて、 これほどウレシイことはありません♡