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湧き上がる結婚願望と相性

こんなタイトルをつけておきながら、私には結婚願望というものがまるでない。

世のアラサー女性たちの多くが持っているであろう、それをどこかに落としてきてしまったようで、友人の警察官には「結婚願望は遺失物届を出せばいいのか」と結構真面目に聞いて回る始末だ。

30歳を目前にして、周りは結婚ブームで、毎月のように結婚式に呼ばれ、ご祝儀基い幸せなたかりを、これでもかというぐらいバラ撒いている。

結婚式に何度も何度も行くようになれば、その幸せさに憧れを覚えるのでは、と思ったこともあったが、私が結婚願望で感情移入するのは新婦ではなく、大事に大事に新婦を育ててきた新婦父だった。

新婦父の涙のために、私はご祝儀を払っているといっても過言ではないぐらい、あれはエモい。


では自分に結婚願望は今まで全くなかったのだろうか、と思い出してみる。

高校1年生ぐらいのときは

「大学行って~就職して~ちょっとしたら結婚して~24歳ぐらいで子供産む~」

なんて思っていたこともあったが、たぶんあの感じが1番結婚願望があったのではないだろうか。しかし多くの女性が憧れるほど憧れていない様子は伝わるだろう。

それから多分年々結婚願望というものが減少していき、結婚適齢期と言われる今は皆無。マジで無。ゼロどころかマイナス。

また、「人の子供は見れるけど、自分の子供ともなると責任が伴うし無理」という気持ちも強くなっていき、いや、もうこんな生意気な人から生まれる子供が生意気じゃないはずがないし、出産というものも無理オブ無理に拍車がかかる。

周りは軒並み結婚をしていくが、それと同時に「旦那が浮気した」「姑まじでダルい」「子育てガチしんどい」を聞くと、

睡眠時間は毎日8時間確保。好きな時間に好きなものを食べる。やる気になったときが頑張る時。多少汚くても死なねぇ。令和こそ猫と結婚できる時代が来る。

こんな生活を過ごしている私には、ほど遠い結婚生活。


「そういう気持ちなのは、親の仲が悪いのでは?」と思われるかもしれないが、うちの両親はばっちばちに仲が良い。

母からはラインで

「〇〇さん(母は父を名前で呼ぶ)が人混みではぐれないようにって、手を繋いでくれた!(キャピ)」

と惚気ラインが入るぐらいで、父が私を食事に誘おうものなら

「2人で行きたいから、誘われても断って」

と連絡が来る。

若干、母の一方通行的な愛に見えないこともないが、父はそれに答えるように、

「最近、2人で出かけてないから、〇〇(父も母を名前で呼ぶ)拗ねるし、週末は出かけてくる」

というような人だ。

なので傍から見たら、理想の夫婦像はすぐそこにある。

それでもやっぱり結婚願望は沸かない。


結婚願望がない、というと、たまに「もともと結婚願望はなかったが、この人とだったら結婚してもいい、と思ったから結婚した」という話を聞く。

世にいう「ビビビッ」ってやつだ。

私はまだそのビビビッを知らないが、そのビビビッが私に起きた時、私は本当に結婚願望が沸くのだろうか、とたまに不安になる。

年齢を重ねるごとに、結婚相手に求める要望が1つずつ増える、と聞いたことがあるが、私の場合、年に5つずつぐらい増えているんじゃないか、と思う時すらある。

私はそのビビビッを、本当のビビビッだと感じることができるのだろうか…。

そして、そのビビビッを感じた時に、私はその人と楽しく話ができるだろうか。


私は比較的、あらゆる知識を持っているタイプで、そこは父に似た。

「1つ聞くと、10で返してくれる物知り」を略して「hey siri」と友人に呼ばれることもあるし、手先は器用ではないが、ある程度のことは1人で出来る。

そのため、「これぐらいできて当然」のハードルが人よりもだいぶ高いし、周りに求めるものも、もちろん高い。

だから男性と食事に行ったとしても、その知識の浅さと引き出しの少なさに飽きてしまい、こちらがあらゆるネタを提供し、「は~今日もよく話して楽しませたな~」とすっきりして帰ることも多い。

果たして、私はそのビビビッを感じた時、相手に対して

「この人と一緒にいると楽しい!」と感じているのか、

「このへんが結婚相手に求める無難なところなのかな」と感じているのか。

後者で結婚をするのだとしたら、それはそれでまたちょっと切ない。


とりあえず今のところは結婚する気はないが、私の感じるビビビッが、私をわくわくさせるものであってほしい、と願っている。


ちょっといいもの食べて、もっといいヒトになりたい。