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お客さんは全部知っている

アドボカシーマーケティングという考え方がある。

2006年に発売された本で、新人時代に、友人のトップセールスから紹介してもらった本。

本の表紙にとても気になるフレーズがある。

自社よりも他社の製品を薦める?

当時、「何の変哲もないクリアファイルを100円で売ってこい」という修業があったくらい、創意工夫をして自社製品をどうにかして売ること、がカッコいいと思っていた。

その価値観の真逆をいくこのフレーズに虚を突かれたのを覚えている。

本書では、顧客とのコミュニケーションが、「顧客の力(主に情報量)」が高まるにつれて、プッシュプル戦略(強引にメッセージを伝える旧来のやり方)からリレーションシップ戦略(CRM等を活用しプッシュプルをより効率化したやり方)に変遷してきたと説いている。

そして、最終的に、上記では十分でなく、絶対的な「顧客の力」の前にはアドボカシー戦略しか手がない、という結論に至っている。

アドボカシーとは、「擁護」「支持」という意味合いの言葉。

アドボカシー戦略において、「顧客の力」に関して下記の前提をおいている。

真実はいずれ顧客に知り尽くされる

つまり、いくら手練手管の話術を披露したとしても、企業が真実を歪めたとしても、顧客はそのことを見抜いてしまう、という考え方だ。

だから、アドボカシー戦略のアプローチでは、企業は顧客に対して、あらゆる情報を包み隠さず提供する。

目の前の人が、笑顔になる、それを全力で支援(Adovocate)するのだ。

そうすることで、企業と顧客は、「企業と顧客」という関係でなく、お互いの中長期的な利益のために助け合うパートナーとなる。

僕自身は営業経験は少ないが、証券会社の本社でトップセールスをサポートする部署にいたため、トップセールスの生の姿を見た数で言うと相当多い。

そんな中で、思うのは、ほぼ全てのトップセールスは、顧客とのパートナー関係を築くことができている。

お互いに裏切らない、嘘をつかない、それが当たり前とお互いが思える関係ができている。

簡単なことじゃないと思うが、営業職にいる人は、本当にみんな読むべき本だと思う。


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