小規模プロジェクトにおけるマネジメントについて書いてみる(立ち上げタイミング編)
ベンチャー/スタートアップ向け開発支援事業を提供しているTeam DELTAにて、プロジェクトマネージャー/ディレクターをしている石井陽子です。
弊社で専任のプロマネを担っているのは現状わたしひとりとなっており、直近、エンジニアオンリー案件において、立ち上がりや進め方のご相談をいただく機会も多くなってきました。
同じようなお悩みをお持ちの方に向けて、常に複数の小規模プロジェクトをマネジメントしている私が普段考えていることをシェアできればと思います。
実際の現場でお役に立つように、と具体例も交えていたら大変なボリュームになってしまったので、ぜひブックマークして必要なタイミングで見に来てください。
プロジェクト進行中編はまた後日お届けしたく思っています。
立ち上げタイミングの方針
とにかく立ち上げタイミングで解像度を上げ、現場で自走できる状況をつくる。現場に自主性をもたらすことで、結果的に進行中のマネジメント工数を押さえることができる。
そのために、全体的に「小規模だと侮らず、ちょっとだけ踏み込んで考える」を意識する。
プロジェクトゴールを明文化する
⭐コツ
このプロジェクトがもたらす「ビジネスの価値/解消する課題」を明文化しよう!
🙅♀️やりがち例
🙆♀️こうするとGOOD
🤔解説
小規模プロジェクトではクライアント担当者がシステム畑の人ではないことも多いので、ビジネスベースで会話すると意思疎通しやすい
目的としての「なぜ」が明文化されていると、プロジェクト中も手段の提案/意思決定しやすい
システム開発の悲劇「言われた通りのものを作って納品したのに、まったく効果がない/使われない」をできる限り防止できる
🤫ひとりごと
目的地を明確にしてしまえば、あとはどうやってそこにたどり着くかの議論にできるので、まずは目的地を明確にするのが大事かなと思っています。
「システム開発」は目的地にたどり着く「手段のひとつ」でしかないな、と。
スコープ、QCD(品質、コスト、納期)を整理する
⭐コツ
・やること(スコープ内)だけでなく、やらないこと(スコープ外)も決める
・QCDの設定背景/詳細について、できる限り確認できているとGOOD
🙅♀️やりがち例
🙆♀️こうするとGOOD
🤔解説
具体的な指標だけでなく、なぜその指標に設定したかの背景も明文化しておく。「与えられたよくわからないルール」にはしないことで、現場の自主性を担保できる。
「やること」だけでなく「やらないこと」も明確にしておくと、お互いの認識齟齬を防げる
「決まっていること」だけでなく「決まっていないこと」や、「変更できること」も明確にしておくと、お互い安心して進められる
「決まっていないこと」を決める時期/トリガー、「変更できること」の変更トリガー/デッドラインも決めておくと良い
🤫ひとりごと
このあたりはご提案価格にも関係してくるので、プロジェクト開始タイミングではなく、なんなら営業フェーズで調整/提案したうえで受注しておきたい。
このタイミングで認識相違が見つかり、受注スコープを変更したり追加提案/受注が発生するというパターンが数件あった。「もうこれで受注しちゃってるから…」と言わずに、丁寧に説明すれば怒られたりはしない。
あと営業にはFBしよう。そのままだとお互い不幸になるだけなので。
プロジェクト体制を整理する
小規模プロジェクトだと関係者が少なすぎてとてもシンプルになるので、あまりコツなどはない。
ただ、立ち上げのタイミングで体制図を整理しておくことで「あれ、業務現場のステークホルダーいないまま進めて大丈夫…?」等の気づきがあるので
(そして必要な場合はアサインをご依頼することもできるので)関係者の整理はスキップしないほうが無難だなという印象。
スケジュール(概要)を決める
⭐コツ
・クリティカルパスを意識/共有する
・マイルストーンごとの中間発表/成果物を設定する
・曖昧な所/見積もりの不確実性が高い工程がある場合は、スケジュール見直しタイミングを決めておく
🙅♀️やりがち例
🙆♀️こうするとGOOD
🤔解説
ものごとは計画通りに進まないことが多いが「計画通りに進まないと、即全体を遅延させるもの」と「とはいえここまでに出来てればいいもの」の色付けをちゃんとすることで、全体の納期遅延を防ぐことはできる
上流に携わるものとして、下流工程にしわ寄せが行かないように。
最後の最後に「これが成果物です!(ドーン」では手戻りのリスクも大きい。事前に「このタイミングでこれをお見せしますよ」とお伝えしておくとクライアントにも安心感を与えられるし、進行リスクも防げるし、クライアント担当者の確認リソースも事前に確保できる。リリースに間に合えばいい、というような不幸な進行も防げる。
ついでに「できればこのタイミングでこれが見たい」等のリクエストももらえることもあり、とても有意義な時間にできる
🤫ひとりごと
「始めの時点でスケジュールこまかく決めきれないじゃないですか~」といった相談を受けることもありますが、決められないものを無理して決めることに時間を使わないで良いと思っています。意味のない計画になってしまうので。
決まっていないことが何で、リスクが大きい場合には想定されるminとMaxを提示したうえで、それがいつ決まるか、を決めること自体が計画だと思っています。
コミュニケーション計画を決める
⭐コツ
・定例の設計だけでなく、テキストコミュニケーション/タスク管理/議事録や資料管理方法まで設計する
・定例の設計時は、開催目的/参加者/アジェンダまで決める
🙅♀️やりがち例
🙆♀️こうするとGOOD
🤔解説
プロジェクトを円滑に進捗させるための、情報の流通経路を決めるイメージ
担当者間DMでやりとりする、などを防ぎ、オープンな状況を担保する
定例会議だけでなく、ここにコミュニケーションが集まっている、資料が集まっている、進捗報告という場でなくても状況を把握できるという状態を作ることを意識する
プロジェクトによっては、プルリクの単位・命名ルールやプルリクテンプレートを作っても良いかもしれない
🤫ひとりごと
たのむのでDMは使わないでください。。。。。。。。
KickOFF MTGを実施する
ここまで決めた事項をきちんと説明し、内容の議論/すり合わせ/合意をすることで、以降の進め方が非常にスムーズになる。
プロジェクト実行中編は後日お届けします
以下のようなことを書く予定です!
現在DELTAでは、一緒に働く仲間を募集中です!
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メンバーは、インハウスのエンジニアと肩を並べて事業を支えるもよし、自分の武器を外販事業化して売上を追うのもよしな環境です。
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