経済産業省などが"ビジネスケアラー"と命名している現象、つまり親の介護と仕事を両立しようとするビジネスマンの数が、団塊の世代が後期高齢者になるに伴い急増しているとされています。

ビジネスケアラーの立場は容易なものではありません。彼らは職務に専念する一方で、介護という別の重要な課題も同時に考慮しなければならないからです。家族の協力があれば一定の解消が見込めるかもしれませんが、独身の場合、その負担は倍増します。

また、これまでに仕事に専念してきた多くのビジネスマンは、介護に関する知識や経験を必然的に欠いています。そのため、適切な対策をどう打つべきかを見い出せず、悩みを抱えるビジネスケアラーが後を絶ちません。

現代の企業は、治療・育児・介護といったライフイベントと仕事の両立を支援する方向に舵を切り始めています。しかしながら、その理解はまだ浅く、こうした問題が解決されない限り、従業員のパフォーマンスや生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの課題解決には、国や企業だけでなく、新たなビジネスモデルを持って参入するスタートアップの存在が不可欠となります。私は、この領域で革新的なアイデアを持ったスタートアップが出現し、社会全体の問題解決に貢献してほしいと思っています。