でもねっこ

書き溜めていたものが無くなりつつあるので暫し更新不定期になります。

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最近の記事

【禍話リライト】 となりの人

 壁一枚を隔てて隣あっているような、アパートやマンションのお隣同士というのは微妙な距離感です。一軒家のお隣さんとはまたちょっと違う。  部屋の防音次第では音を出すのに互いに気を使ったりなんかしてね。それでお互いに気を使い合えるからこそ「となりの人はまともなんだ」と多少は信用しても大丈夫かなとなっていく。  ところが世の中どうしても、まともな隣人ばかりとは限りません。 ────────────────────  この体験をした社会人のSくん。まだ若くて、めっちゃいい奴な

    • 【禍話リライト】 踏切の音

       踏切の音って静かな環境だと結構遠くまで響くんですよね。夜、テレビやスマホの音を消して耳を澄ませば遠くの方でぼんやりとカンカン……と鳴っているのが聞こえる、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。  これはそんな踏切の音にまつわる話です。 ────────────────────  その人、コンビニバイトのリーダーをされていた方で。ほら、いらっしゃるじゃないですか。正社員ではないけど、アルバイトとして長いこと勤めた結果、バイト仲間はもちろんのこと店長さんからも頼りに

      • 【禍話リライト】 わたあめ

         旅行する時、あなたは綿密に計画を立てるタイプですか。それとも行き当たりばったりの旅を楽しむタイプですか。両極端ではなくて、たとえば行きと帰りの便の予定だけ決めて後は適当気ままに、という方もいらっしゃるでしょう。  ただ泊まる宿だけはちゃんと予め決めておいた方がいいですね。誰だってよろしくない宿になんか泊まりたくはないでしょう? ────────────────────  当時すでに40代のおじさんの話です。気ままな旅をするのが好きな人で。  一泊二日くらいで行ける範

        • 【禍話リライト】 ガラガラガラ……

           「白衣の天使」という古語がございますね。いや、古語ではないですが。どうなんですかね。甲斐甲斐しく患者の世話をされる看護師さんのことを今でも白衣の天使と呼ぶのでしょうか。たとえそれが男性でも。  しかし天使というのは性別がないそうですからね。男性を含めて「白衣の天使」と呼んでも、そもそも差し支えはないもので。  まあ、それはさておき。看護師さんにまつわる不思議な話を一つしようと思うんです。 ────────────────────  その体験をしたRくん。ある時目が覚

        【禍話リライト】 となりの人

          【禍話リライト】 女の絵

           人生、ふとした瞬間に取り憑かれたようにして何かにのめり込むことってありますよね。後になってから「どうしてこれにハマっていたんだろう?」と不思議になるような。  ただ、もしもあなたのそばに。よくわからないタイミングで何かに没頭しだした人がいるなら、注意して見ておいた方がいいかもしれません。 ────────────────────  これはかなり前にとある高校で起きた話なんですけどね。体験したKから聞いた話です。  その高校、私立のいわゆるヤンキー高校で。昼休みなんか

          【禍話リライト】 女の絵

          【禍話リライト】 ノック合戦

           学校で授業中にトイレへ行くのって結構緊張しますよね。授業中に言い出すのも少し勇気がいりますし、授業の肝心な部分を聞き逃してしまったりうっとうしいクラスメイトにからかわれたり……皆で授業を受けている中、自分だけがそこから抜け出すドキドキもあったりして。  そこでまあ、脅すわけではありませんが、授業中はできるならトイレに立たない方がいいんじゃないかなあ、という話をしようかなと。我慢のし過ぎはよくないですけどね。 ────────────────────  今は成人されて立

          【禍話リライト】 ノック合戦

          【禍話リライト】 ザクザクのお祓い

           寝ている間見る夢に何度も同じ景色や同じ人物が出てくる、というのは割とよくあることだと思うんです。懐かしい風景とか旧い友だちとかが出てきて。夢から覚めたあとで「あ、また会えたな」となって少ししんみりしたりしてね。ありませんか?そういうこと。  これは繰り返し見る夢が悪夢だったら最悪だなって話です。 ────────────────────  その女性、気が緩んでいる時にきまって見る悪夢があったそうなんです。その夢を最初に見たのは幼稚園の頃、というから年季が入ってますよね

          【禍話リライト】 ザクザクのお祓い

          【禍話リライト】 ダンボールの家

           とある家にまつわる話で、ダンボールのあった……ある家の話です。 ────────────────────  その家がどこにあるのか、具体的な地名は聞いていません。知りません。ただ、九州地方にある家とだけ。  団地の一角にある山を切り拓いて新しい区画を作ったそこに、いの一番に建てられた平屋の家らしいですね。土地を買ったのは若い夫婦で。家が建つと小さいお子さん二人を引き連れてやってきた。子どもは男の子と女の子の年子で、年齢は幼稚園に入るくらいだったそうです。  傍目には

          【禍話リライト】 ダンボールの家

          【禍話リライト】 覗かれる家

           覗くのはよくない。駄目ですよ。別にわたしは覗きに一家言あるわけではないんですけど、あれ、ぎりぎりのスリルを求めるとかではなく、安全圏からこっそり誰かを覗き見て優越感に浸ることが醍醐味だと思うんです。  いやいや、何が言いたいかと言いますとね?廃墟に行くのも一種の覗き行為じゃないですか。無断で侵入してかつての住民を勝手に想像したりなんかして。ただあんな所、安全圏でも何でもないですからね。廃墟を覗き見るのは本当によくない。  あちらから覗かれるのはもっとよくないな、という話

          【禍話リライト】 覗かれる家

          【禍話リライト】 同居者

           怪談を好んで聞く皆さんですから。あわよくば自分の部屋や家にもおばけの一つや二つ出ないかな、なんて考えていらっしゃるんじゃないですか?期待半分怖さ半分くらいで。  そのおばけが美男美女だったらいいですよね。アイドルの誰それに似ているおばけが一つ屋根の下で暮らしているとか。最高です。  ただですね。おばけと同居するのはあまりよくないんじゃないかな、という話があるんですよ。 ──────────────────  Aさんがまだ若い頃の話です。新卒で入った職場の歓迎会でのこ

          【禍話リライト】 同居者

          【禍話リライト】 伝説の男

           シンプルに、廃墟に行ってはいけないという話です。絶対に面白半分で行ってはいけない。 ──────────────────  この話、その地元では半ば都市伝説化して有名な話なんですけどね。  とある辺鄙な土地に廃病院があったそうなんです。場所が場所だけに流行らなかったんですかね。唐突な夜逃げか何かがあったみたいで、医療器具がまだちらほら残っている、そんな廃病院が。  その廃病院、二階から先は誰も上れなかったそうなんです。いや、「誰も」というと語弊がある。業者とか何かし

          【禍話リライト】 伝説の男

          【禍話リライト】 バス停の女

           バス停、と聞いてどんなバス停を思い浮かべますか。駅構内のバスターミナル。屋根のあるモダンなバス停。時刻表が貼ってあるポールだけのバス停も、もちろんありますね。きっと人により様々なバス停があると思います。  このお話は、木造トタン屋根の小さな待合所付きのバス停が舞台です。  あ、古い話なのかな。それも田舎の。  と思った方は正解。これは大分前に起きたことで、九州のとある山間地域にあるバス停にまつわる話なんです。 ────────────────────  そのバス停

          【禍話リライト】 バス停の女

          【禍話リライト】 押さえる子供

           お酒、好きですか。  世の中、お酒との付き合い方は様々ですよね。全くお酒を飲めないという人からガンガンいこうぜという酒豪の人まで。もちろん未成年の方は嗜んじゃだめですよ。  悪酔いしてだる絡みする人もいれば、陽気になって笑い上戸。中には何かを思い出して泣き出す人もいらっしゃる。酔い方にも色々あります。  ただ、お酒のせいにして他所様に迷惑をかける。これはよくないですね。  そんなわけで、酔うと陽気になるおじさんのせいで恐怖体験をすることになった、憐れな一人の青年の話

          【禍話リライト】 押さえる子供

          【禍話リライト】 タクシーの夢

           怖い話というのは黙って待っていても転がりこんでくるものではありません。なので積極的に集めにいかなければいけないんですが……。  無理に話を聞き出そうとして、想定外の方向からぶっこまれることがあったんです。  不可思議な話のディテールを詰めるのはあまりよくない、ということなんでしょうか。 ────────────────────  大勢が集まる飲み会の席でのことです。見知った顔から初めましての顔まで、まあそれなりに人がいて。  それでわたし、怖い話を蒐集しているわけ

          【禍話リライト】 タクシーの夢

          【禍話リライト】 踊り場こっくりさん

           突然ですが「こっくりさん」ってご存知ですか。「はい」や「いいえ」に「あいうえお」の50音表、それに絶対忘れてはいけないが鳥居ですね。そんな諸々が書いてある紙を用意してやる、アレです。  昔ある時期ものすごいブームになって、どこの学校でも「こっくりさん、こっくりさん」と子どもたちが唱えては、 「今度の遠足の時の天気を教えてください」  とか、 「私が気になるXXくんは誰が好きか教えてください」  とか、そんな他愛もないことをこっくりさんに訊ねたものでした。  さて

          【禍話リライト】 踊り場こっくりさん

          【禍話リライト】 ノックしてくださいね

           知らない系列のコンビニに入ると不思議な体験をするかもしれない、という話です。入るコンビニはよく選んだ方がいい。 ────────────────────  とある男性から聞いた話なんですけどね。その彼、ある晩、深夜に彼女とドライブデートを楽しんでいたそうです。田舎道を適当気ままに走っていちゃつくドライブデート。  それで、車を走らせ結構な時間が経った頃のこと。 「コンビニ寄りたくない?」  と彼女が言い出したそうです。彼は気の利く人で。「そうだねー」なんて相槌を打

          【禍話リライト】 ノックしてくださいね