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ハードワークと育児の両立

背景

ハードワークと育児の両立って非常に難しいテーマだと思うのですけど、色々な人のやり方とかノウハウを集めて、少しでもヒントを得られるようにできればなぁという思いがあります。
世の中にそういう本とかサイトとかもあると思うのですが、個人的には少し自分の感覚と噛み合わないと感じるものが多い印象です。例えば、「職場の理解を得て、仕事をセーブしやすい環境を作りましょう」的な趣旨のもの。私自身は、経営者であり、職場の理解も何もないわけで、別に"職場の理解"的な趣旨でいえば調整はできますけど、ただ事業が成長できず、元々のビジョンは実現できず、生活もできなくなる、ということになります。

ハードワークと育児の両立のボトルネック

育児のボトルネックが「育児に対する寛容性の少ない職場環境」であるとされがちですが、実際は育児の上位概念にあるはずの「自分自身の幸福・ビジョン・生活」が律速になるので、単純に「仕事を減らせば良い」という話ではないはずです。(子供を産み育てることは本来自分の幸福のためにやってることのはずなのに、それを実現するために仕事を犠牲にして自分の幸福度を下げたら本末転倒、という話)

また、特に男性側において、現実的に必要なレベル感と世で提示されているレベル感に隔たりがあると感じます。例えば、世で提示されるレベル感としては、以下の記事にもあるように、「オムツも替えない・子供に関心を示さないから、少しでも育児参加を促そう」といったレベル感が多い印象です。

個人的には、ちゃんと財務担当を担って、オムツ変えれば済むなら非常にありがたいですが、現実的には家庭運営上それでは圧倒的に不足している印象です。まず大前提として、自分が子供を嫌いであったとしても、子供を生むことは夫婦の意思決定である以上、"育児参加"などというレベル感ではなく、自らコミットする必要があろうかと思わざるを得ない。(会社経営において、意思決定した後に、"自分はそんなに賛成じゃなかったらやらないです"なんて人がいたらダサすぎるのと同じ)
その上で、例えば、第二子の出産を直前に控えるような時期なら、妻に無理をさせるわけにもいかず、自分で毎日保育園の送り迎えやお風呂、歯磨きなどを対応することは、好むと好まざるとにかかわらず、状況的にやらざるを得ないことに思えます。(逆に、そうでなかった時代は、何が違ったのかな -- 実家サポートだとか女性側の価値観とか? -- というのは気になる所です)

なので、(語弊を恐れずに言えば)"職場の理解を得ましょう・オムツを変えましょう"レベルではない、もう一歩進んだ「ハードワークと育児の両立に関する方法論」が必要に思えるのです。

何が"キツイ"のか

自分自身、やはり相当のキツイ状況は一定程度ありました。会社を共同創業した中で、ビジョンを実現して事業を立ち上げるために、自分の100%以上のパッションとブレイン、リソースを注ぐ必要があるし、そうしたい思いもあります。その中で、特に、2歳の子供が保育園に通い始めて頻繁に体調不良を起こしたり、妻が第二子出産に向けて臨月近くなっていった時期は中々厳しいものがありました。例えば、子供が救急搬送されるなど、何度か急対応が求められることがありましたが、その際にクライアントミーティングを調整頂いたり、移動しながら説明させて頂くようなこともありました。それに対して明示的にクレームを受けることはなく、それはありがたいことですが、自分自身クライアントやマーケットの期待を超えられるように必死に取り組んでいる中で、それを十分発揮できないことに対するストレスがありました。
また、第二子出産が近づくにつれ、色々あり、妻は絶対安静を求められるようになり、必然的に自分が毎日の送り迎えやお風呂等を担うようになります。そうすると、毎日、朝8-9:30am頃、6-9pm頃は完全に子供対応でブロックされる形になり、その分をカバーするべく、9pmに子供が寝た後、再びオフィスに戻って、夜中3時位まで働くような生活になります。

まあ周りを見ていると、よくある話なのかなと思わなくもないですが、個人的には"連続集中時間"を大事にしたいので、毎日6-9pm頃仕事を中断しなきゃいけないのはキツイことでした。日中はミーティングで埋めて、自分の仕事は夜にする、という人は一定いると思うのですが、その夜の時間が確保できなくなると結構ダメージが大きい感覚になります。特に、スタートアップなんて目の前のやるべきことも山程ありますけど、その先の将来を見据えて、自ら動いて機会を生み出していかない限り成長はないと思うわけです。この"目の前のやるべきことで手一杯で、本来やるべきことができていない"感は個人的には避けたいことで、キツさを感じるものでした。

こうした"キツさ"については、子供を生む前にある程度見込みをたてていたものですが、大きく2つの観点で、想定以上でした。一つは、上述の"世に言われているレベル感"と"実際に現実問題として必要なレベル感"の差で、もう一つは"外部リソースを頼ることの難しさ”です。

実際に必要なレベル感はそこそこ高い

前者については、上述の通りですが、もう一つ例を挙げると、子供を生む前に見ていた記事の中で、"父親がやることのおすすめは、お風呂を入れることです。その際、お風呂を入れるだけじゃなく、前後の工程もやりましょう"みたいな内容を読みました。なんとなく、自分の中で、"それくらいでいいなら、ゆーても30分位でできそうだし、何とかなりそう"みたいな感覚を持ちました。しかし現実には、やるべきタスクはもっともっと山ほどあるし、タスクとして言語化できないけど工数を要するもの(仕事をしているときでもインタラプトされるなど)があります。

外部リソースの活用も簡単ではない

後者について。正直生まれる前は、"育児大変大変っていうけど、それは自分たちですべてやろうとするからでやって、結局こういう工数溢れる物事においては、外部リソース調達するのが王道であって、うまく使えばうまくやれるんじゃないの?普通に考えて、社会的にも子供増やさなきゃいけないのは自明であり、それなりにそこに支援制度入れるだろうし"といった考え方を多少なりとも持っていました。
実際やはりそんなに甘くないですね。
まず、保育園に入れるための制度理解と調整に相当工数を取られます(結果、うちは2回ほど入れず、2歳になるタイミングでようやく入れましたが、それでも運が良かったほうかと)

家事/育児サポート(ヘルパー)の助成制度もありますが、それが有効に助成されるのは、生活保護世帯などであって、恐らく大半の家庭だと、9割位自己負担なのでは、という感じで、例えば3時間10,000円など。少なくともうちの家計では気軽に使えるようなものではない。

ベビーシッター助成制度もあって、1h2,500円まで負担してもらえる(交通費などは別途自己負担)など、有効ではあるし実際使っているのですが、月12時間までの制限があることや、シッターの数が不十分で、あまり使いたい時間に使える感じでもないことなど、十分ではない印象です。例えば、シッター側としては、移動時間をかけても、少ない時間の勤務だと割に合わないので、最低時間数を設定されることも多いです。結果、ユーザ側としては1回6時間×2日/月使うのが限度、みたいなことにもなりえます(もちろんあるだけだいぶありがたいことなのですが)

出産自体にかかる費用についても、それなりに補助でカバーされるものの、突発的に出血等で病院にかかれば検査費用などで4万円程度の自己負担を強いられるなど、決して優しくない印象であります。(これもカバーされるだけもちろんありがたいことですが)

解決の糸口

色々書きましたが、解決の糸口は、
・(やはり)外部リソースを頼ること
・時期を区切ること
・自ら能動的に自分ができることを見出すこと

の3点だというのが、現時点の私の結論です。

外部リソース活用の積み重ね

外部リソースについては、上述の通り、正直どれもこれも不十分感はあるのです。なのですが、それでも色々なものを集めることで、意味ある負担軽減になります。

時期を区切る

時期については、今振り返ってもキツイ時期はいくつかあったわけですが、どれも有限だったように思います。1ヶ月単位などで、見通しを立て、"この月は少し育児にリソースをおいて、次の月から仕事にシフトする"とか予め仕事用に時間を確保しておく、などによって多少は仕事を進めやすくできる気がします。

自ら能動的に動く

また、キツイ時期ほど、パートナーに何かを押し付けるというよりは、自らやれることを見極めていく、それをお互いにやっていくことで、結果的に自分自身も楽になる、という流れを作ることが大事なように思います。




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