子どもの発する「不登校」という言葉

 漢字から受ける印象と、ひらがなも含まれる言葉から受ける印象が異なることは、よく言われることではないだろうか。

 先日、ふとした瞬間に生徒から「不登校の子たち」という言葉が聞かれた。その言葉を聞いた時、心が凍りつくのを感じた。あまりにも、機械的な言葉であるように思われたからだ。

 現在、クラスに1人以上はいると言われる「不登校の子たち」。どのクラスにも学校に行けていない生徒はおり、生徒たち同士は面識のあることも多い。

 そんな中、生徒から聞かれた「不登校の子たち」という言葉。漢字で表記されることの多い「不登校」という言葉には、対象生徒との距離感を感じてしまう。

 「不登校」は「登校せず」と読め、「学校に来ない」のか「学校に来られない」のかという問題は存在しない。対象生徒の背景には目を向けられない言葉であることも、そう感じる理由かもしれない。

 確かに、「不登校」という言葉は、ニュースでもよく聞かれるようになり、生徒たち自身には「学校に来ていない」という言葉のみで、マイナスのニュアンスは無く発している言葉なのかもしれない。それは不登校生徒が様々な理由で来られないのだ、という理解を深める言葉であることも事実だろう。

 しかし、「不登校」という言葉はやはりニュースや行政で良く聞かれる言葉で、彼らの日常語ではないのではないかと思うのである。学校の現場で、休みの生徒を不登校と生徒の前で話すことは、私自身ないからだ。

 推測や想いばかりで上手く説明ができないからこそ、言葉におこしてみた次第である。

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