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10.29

あの時は
「良い子にしてたら立派な大人なれる」
と思っていたのかもしれない

真面目が取り柄で
勉強熱心で
素直で聞き分けがよく
我慢強くて優しかった

それで褒められた
それが嬉しかった
自分のことが好きだった

大人になったら
真面目過ぎて面白味がなく
頑張っても頑張っても
満たされることはなく
遊び方もストレス発散の仕方も知らず
騙されやすいと言われるようになった

生きていけないと思えるほど
自分のことが嫌いになった

私は頑張り屋さんだった
負けたときは
相手が私より努力しているからだと信じ
少しでも上に行こうと さらに努力した

実際はどうだろう
努力しなくても
できる人はできてしまう

いつしか頑張っても頑張っても
敗北感しか得られなくなって
それに気づいたときから
努力することができなくなってしまった

今はもう頑張るための
理由も気力もないように思える

「辛いのは皆 同じ」
「それでも皆頑張ってる」

なんで?なんで辛くても頑張るんだ?
そうまでして生きる理由が分からない

「旅行したり美味しいもの食べたり」
「これから楽しいこといっぱいある」

それ、本当に楽しいの?
楽しめる自信がない
今までも本当に楽しかったか分からない
楽しいフリをしてたのかも

「またそうやって否定する」

そう
また君に悲しい顔をさせてしまった

早く消えてなくなりたい

今日は霧が濃かった
数メートル先は真っ暗で
道がないように見えた
それでもブレーキを踏まなかったのは
その先に道があると知っていたから

人の生きる道も同じ
走っていられるのは
道があると信じてるから

一度でも道があるか疑ったら
一度でも完全に止まってしまったら
またアクセルを踏むのは
とても怖い
冷静ではいられない

また走り出すには
恐怖を感じないくらい狂ってしまうか
霧が晴れるまで待つしかない

私はどっちもできなくて
変な方へハンドルを切ってしまいそうだ

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