ジーンズが
初めてスクリーンに登場したのは
いつだろ？
漠然と調べてました。

ジーンズスクリーン初登場を
調べるとよく出てくるのはジョンウェイン主演
「駅馬車」1939年公開ですよね。
ジョンウェインはリーバイス501XXを履いて
います。サスペンダーボタンがあることから
1922年モデルと推定できます。

問題はこれより以前にスクリーンに登場
しているかです。

調べていたらありました！
僕が調べた中では1920年公開の
「陳情令The untamed」という映画。
この中でTOM MIXという役者が履いています。
当時の有名な西部劇に出演する俳優さん
だったようです。
どこのブランドかは分かりませんが
リーバイス社のホームページにも記述があるので
もしかしたらリーバイスかもしれません。

そして「駅馬車」の前年1938年公開の映画
「The Cowboy and Lady」の中で主演の
ゲイリークーパーがジーンズを履いています。
このジーンズは見てみる限り
サスペンダーボタンがないので
1937年モデルなのかなあ。なんて思っています。
スチール写真では506XXであろうジャケットも
見て取れます。
またジャケットのインナーに着ているウエスタン
シャツもリーバイス社のものだと言われています。

正に当時デュードランチで観光客が着ていた
スタイルをそのままスクリーンで着ていた
というわけです。
このことからこの映画ではリーバイス社が
衣装として提供していたのかもしれません。

このようにジーンズが登場している映画は
全て西部劇。
ちなみに実際の西部劇の時代はジーンズが流通する
より20年ほど前の時代。
実際には保安官やカウボーイはまだジーンズは
履いていなかったと言われています。

ではなぜジーンズを履いているのか。
一つは映画を制作していた時代ではカウボーイの
制服といえば既にジーンズだった。
リーバイス社が衣装として提供していた。

そして1番ポイントは
ジーンズは撮影現場から近いところで販売されて
おり、またカタログから選んでも素早く入手
できたため、衣装として使いやすかったから
ということのようです。

当時西部劇映画は他の映画と比べるとB級とされ、
製作費も少なく、衣装は割と手頃なところで
手配されていました。

よく考えればリーバイス社はカリフォルニア。
近くのネバダ、アリゾナ州で撮影していた
西部劇のスタッフにとってジーンズは調達しやすい
アイテムだったそうです。

その西部劇を一役エンターテインメントに
昇華させたのか「駅馬車」だったのです。

だからジーンズが登場した初めての映画として
紹介されることも多いのかもしれません。

いずれにせよ西部劇には欠かせない衣装として
戦前から実は重宝されていたジーンズ。

まだ時代考証もおおらかだった時代。
映画で目にすることでジーンズもまたメジャーに
なっていったのかもしれません。