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アーボリストという職業

 アーボリストという職業があることを、つい最近知りました。アーボリストとは、高い木の剪定せんていやメンテナンスを専業としている人のことだそうです。似たような職種に空師そらしというものがありますが、空師は狭い敷地での作業が多いなど、作業内容に多少の違いがあるとされています。アーボリストは、欧米ではガーデナー(庭師)とともに知られている職業ですが、日本ではまだその数は少ないようです。そのため、アーボリストという言葉自体を聞いたことがないという人も珍しくありません。私もその一人でした。

 ガーデナーは主に庭園を手入れする人のことを言い、低木や草花の手入れや管理を行ないます。それに対して、アーボリストは高い木や大きな木を管理することが多い、樹木専門のスペシャリストです。アーボとはラテン語で高い木という意味で、アーボリストは樹木に関する知識を豊富に持っています。またアーボリストは、樹木の危険診断を行なうこともあり、世界品質での樹木に関するプロと言われています。また樹木医としてのスキルもあり、幅広い知識を兼ね備えています。

 アーボリストを名乗るには国際的な資格が必要で、ISA (International Society of Arboriculture)が資格を管理しています。日本では、2013年頃からISAが認めるかたちで、一定以上の経験がある人を対象にセミナーが開かれ、そこで資格を取得した人に日本版のアーボリストの称号「ツリークライミング アーボリスト(R) 」が与えられることになりました。

 アーボリストは高い木を管理しますが、木の種類や大きさによっては50mもの高さで作業をすることもあり、危険が伴う仕事でもあります。イギリスでは厳しい安全基準があるものの、年に数件の死亡事故が発生しているそうなので、気軽にアーボリストになれるものではありません。

 昔、仕事の関係でタイのお金持ちの青年と話す機会がありました。彼の実家では、メイドが数名、運転手が一人、それから庭師が一人いたそうです。メイドや運転士がいる金持ちは想像できますが、住み込みの庭師がいる金持ちは想像できませんでした。豪勢なお屋敷には、きっと大きな庭があるのでしょう。私は金持ちではありませんが、上には上がいます^^。

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