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奄美大島のサステナビリティ

奄美大島の自然は豊かです。その風景を精細に描いた田中一村の作品は、多くの奄美ファンに愛されています。一村は、奄美がクリスマスプレゼントとして1953年12月25日に米国から日本に返還されて間もない時期に、奄美に移住しました。その後、彼は紬工場で働きながら、絵を描き続けたことは知られている一方、紬に鮮やかな色をつけようという考えを持っていたことはあまり知られていません。彼は、絵に奄美の自然を残しましたが、紬に職人の色を残すことができませんでした。
きものとして、奄美紬は織や染といった工程において優れた特徴を持っていますが、色合いが地味というのも一つの特徴だと思っています。今の日本の生活様式では、きものを普段着として着なくなってきました。そして、華やかな舞台できものを着る人でさえ、あえて紬を選ぶことはあまり多くありません。当時、紬工場で一村の上司にあたる私の妻の祖母が、一村の意見を聞き入れ、鮮やかな色を取り入れていれば…。ということを想像する度に、イノベーションはオープンでなければなかなか進まないと感じます。
昨今、私たちの暮らしの基盤を成している経済・社会・環境が非常に不安定化してきており、様々なところでサステナビリティ(持続可能性)への取り組みが求められています。しかし、サステナビリティという用語の概念自体は多元的であり、必ずしも同じ定義で使われているとは言えません。私がここで特筆したいポイントは、サステナビリティとは、単にある状態を保持し続ける可能性の追求だけではなく、より良い状態に向けて革新を模索し続けることでもある、という認識です。
これからの奄美大島のサステナビリティについて、いろいろな立場から考えていきたいです。(第一歩として、今年から、語る会を開催します。https://www.canva.com/design/DAFFvEiw5ic/RC6x-Ipz3S4Sp0KpcUj_Ew/view?utm_content=DAFFvEiw5ic&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=publishsharelink


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