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島の「基幹」産業、サトウキビ

南の島は農地面積が狭く、一面に広がる農作物の畑の風景はあまり目にしない。それでも奄美市内から空港に向かう途中(龍郷/笠利)にサトウキビ畑が道の両側に見える。奄美大島は毎年幾度も台風に直撃されるため、農作物の生産が難しいという地理的特徴がある。サトウキビは温帯で育つ作物であり、強風に対して比較的耐える力がある。そいう意味では、サトウキビは奄美大島にとって重要な作物と言えるかもしれない。 私たちは、サトウキビをそのまま口にすることはあまりないのだが、サトウキビからつくられる砂糖(

    • 漁港の夜明け

      早朝、奄美の漁港を散歩していると、目の前の風景の移り変わりに心酔する。5時ごろになると、30分ほどで夜空に瞬く星は消え、鳥のさえずりがあたりに響き始める。2日前に出航した鰹一本釣り漁船は近海から戻り、水揚げされた魚は組合の水産物加工施設に運ばれ、カツオと一緒に捕れたシビ(キハダマグロ)は地元住民の好物の刺身となる。私はこの間のまばたきを幕間のように感じたが、島人にとって一連の動きはあまりにも日常的で、胸が高鳴るような状況ではない。 それでも奄美は変わりつつある。年配の方に話を

      • 奄美大島のサステナビリティ

        奄美大島の自然は豊かです。その風景を精細に描いた田中一村の作品は、多くの奄美ファンに愛されています。一村は、奄美がクリスマスプレゼントとして1953年12月25日に米国から日本に返還されて間もない時期に、奄美に移住しました。その後、彼は紬工場で働きながら、絵を描き続けたことは知られている一方、紬に鮮やかな色をつけようという考えを持っていたことはあまり知られていません。彼は、絵に奄美の自然を残しましたが、紬に職人の色を残すことができませんでした。 きものとして、奄美紬は織や染と

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