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【推し】織り成す 声が

【ノンフィクション】をおすすめします。

こんな戦争、聞いたことがない。

第二次大戦中、
ソ連軍には、100万人近い女性兵士がいた。

愛国心と復讐心を胸に、
従軍した女性兵士へのインタビュー集。
出版までの道のりは、平坦ではなかった。

戦争は、一般的に男性視点で語られる 。
世の戦争関連の書物が、これに当てはまる。
この作品は、稀有な例外。
女性兵士の声で織られた「タペストリー」。


戦争は女の顔をしていない


スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ/著
三浦みどり/訳 (岩波書店)

" ~ 受話器は弾丸を発しない ~ 電話交換手の言葉 "


大岡昇平の「野火のび」。
第二次大戦の従軍記や体験記。
戦史に関するウィキペディアの記述。
数々の戦争映画、ドキュメンタリー番組。
エトセトラ……etc.

それらのどれとも、まったく違う。
女性兵士の体験を通して語られる戦争は。
「鏡の世界」に迷い込んだようにあべこべ。
価値観が入れ替わっている。
勝利、栄光……、
生の言葉、むき出しの心、感情の記憶。
洗濯・農作業・あるいは戦場で。

小さな声が集まり、
「戦争全体」を浮かびあがらせる。


世界は、戦争は、血肉と情念でできている。
『言霊』。
命を裁きの天秤に載せ、勝利し帰還した。
後遺症、小さなメダルとわずかな恩給。
「男たちの中で、何をしていたんだか!」
……戦争に行かなかった女が言う。

Q.衛生兵の任務とは?
A.燃え盛る戦車から、大の男を担ぎ出す事。

「君は戦友だ。戦友とは、恋愛しない。
 結婚するなら、戦場を知らない女性がいい」
……共に戦った男が言う。どの口が言う?

許せないこと、
① パルチザンに対して行われた拷問。
② 戦後、女性兵士を護らなかった者たち。

消えていく小さな声を集めて
後世へ託してくれた
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチに
感謝します。

『戦争は女の顔をしていない』

興味を持たれましたら、ぜひ一読ください。

❤️『好き』も、よろしくお願いします☺

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