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あわいの力/安田登 読書感想文

あわい:媒介。あいだ
「心」が生まれて約三千三百年。「心」の副作用が強すぎる現代で、処方箋、いや次の時代の「心」の代わりとなるものを探す本。

気持ちが病んでる人に読んでもらいたい。
問題解決しないし、悩みが無くなるわけではないけど、ちょっとだけ自分を俯瞰的に見れるようになると思う。

 そもそもの話の始まりは、高校時代に感じた壮大な妄想にありました。人類の偉大な教師である孔子や釈迦やイエス。この三人を超える人物が二千年以上ものあいだ、まったく登場してこないのはなぜか。そろそろ、次の人があらわれるころではないか、そんな妄想でした。
人類が三千年ほど前に手に入れた「心」は、人類に運命を乗り越えるという「意思」の力を授けた反面、大きな「副作用」をもたらしました。不安、恐怖、悲しみ・・・。人類は「心」を得たことで、「心」がもたらす影に振り回さることになったのです。
それに対する処方箋を提示したのが、偉大な聖人たちでした。
孔子、釈迦、イエスは、「心」を手にした人間の苦しみを和らげるために、「心」に振り回されずに生きる術を教えようとしたのです。
 ところが、孔子や釈迦の誕生から二千五百年、イエスの誕生からおよそ二千年が経ついまも、人類は「心」の副作用に苦しみ続けています。いや、それどころか、近年の自殺や精神疾患の増加を見るにつけ、「心」の副作用はますます大きくなっているようです。
「心」の問題が大きくなっているというのに、問題への処方箋の基本は、二千年前につくられたまま・・・。これは「心」というシステムが、そろそろ限界に達しているのではないか、人類は、「心」に代わるなにかを手に入れる必要があるのではないか−−そんなふうに妄想はふくらみました。
この問題は、おそらく私が生きている間には解決しないでしょう。

このあと「文字」に代わるなにかが必要とあります。なんだろ、音?絵?踊り?
この「なにか」が出来たら、それが理解出来る人類と出来ない人類で分かれそう。
それまで生きてたいなー。

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