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You Are what you read./服部文祥 読書感想文

「ザバイバル登山家」で有名な服部文祥が、様々な著書の紹介をしながら、持論を展開していくエッセイに近い本。
1番はじめに紹介したフリッチョフ・ナンセンの「極北 フラム号北極漂流記」。その本のエピソードがどれも、「マジで!?」というものばかりで

フリッチョフ・ナンセンは人類史上最高の人間である。世の中にそれが広く行き渡っていないのは、ナンセンの発想と行動力の規模が我々凡人とは違いすぎるからだ。十九世紀の終わりに、北極の凍り付いた海がゆっくり動いていることを証明しようと、頑丈な船(フラム号)を氷海に進入させて、凍り付いたまま4年間過ごすことにした。しかも密かに、凍り付いたまま北極点を通過しちゃおう、目論んでいた。だが、しめしめとほくそ笑んでいられたのはほぼ1年。それまでの移動ルートから予測する進行方向は、大きく北極点から外れていた。ナンセンは船を離れて、北極点に向かって出発する。(ちゃっかり犬やソリなどを用意していた)。
船を離れたら船には戻れない。この一年で自分たちが証明したように、北極海は流動しているからだ。かまわずナンセンは船を離れ北極点を目指し、北極点にいちばん近づいた記録を樹立するものの、このまま進むと死ぬ、と判断して回れ右して、ユーラシア大陸へ向かう。
南下するものの、自分たちがどこにいるのかわからなくなり、夏の間に帰れないと判断し、氷上の島で越冬することにした。シロクマを撃ち、セイウチを撃ち、凍り付いた斜面を掘って岩小屋を作り(広さは一坪ほど)、セイウチ牙の棟を掛け、皮で屋根を葺く。
冬になり、太陽がまったくでない極夜の下、1日20時間眠り、セイウチの脂を燃やし、シロクマの肉を食べて春を待った。
春になり再び南へ出発しようとしたとき、ナンセンの体重は増えていたという。そして越冬の報告はこう締めくくられる。
『弾薬の予備はライフルの弾が100発と散弾が110発あった。これだけあれば、まだ数回の冬に充分だ』

本著より

この本を読みたいなー。

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