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はたらくこと

つけ麺を食べた。
行列の出来るラーメン屋さん。

「コロナ対策です」と店員さんがアルコールスプレーをシュッと手にかけてくれた。
「飲食店は大変だなぁ」とぼんやり思いながら席につく。

カウンターに座って次々とラーメンが出来ていく様を見ていると、どこか気持ちよくなる。

新しいどんぶりを出す。
茹で鍋につけてどんぶりを温める。
取り上げて周りをふきんでふく。
スープをどんぶりに注いで、具材を入れる。
麺をざっと洗って茹でる。
湯切りをしてそっと皿に盛る。
そしてつけ麺がお客さんの元へ。
大将は次の作業へ。

すべてが無駄のない動きで、みんなが協力してスープと具材を混ぜたり、下げた皿を洗ったり、「働くとはきっとこういうことなのだ」と感じる。

この人達はきっと今日という一日が終わったら「あー、今日も疲れた」と缶ビールをプシュっとやって晩酌なんかするのだろう。
気持ちの良い疲れがからだに満ちていて、熱いお風呂につかってぐっすり寝たら「よし、また明日も頑張るか」と思えるような。

“労働”というものの素晴らしさを見せてもらった気がした。

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