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#032:チームの成長プロセス

兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。

今回は、チームの成長プロセスについて、日本チームビルディング協会の考え方をもとに解説します。
日本チームビルディング協会の代表理事である齋藤秀樹さんの「Good Team」には、良いチームを実現するための実践的な考え方がまとめられており、チームづくりのすばらしい教科書です。
また、齋藤さんはとても魅力のある方です。

次の図は、「Good Team」の入口のところを1枚にまとめたものです。
左側は、チームが成長していく一般的なプロセスで、一般的に、「タックマンモデル」と呼ばれるものです。
アメリカの心理学者のブルース W.タックマンさんが1965年に提唱したので、その名前で呼ばれています。当初はこの図の通り4段階でしたが、後に「散会期」という段階がつけ加えられています。

「Good Team」のさわり

チームによる行動が開始された直後(形成期)では、チームとしてどうしていくかが十分には理解されていないため、各メンバが様子を見ているという状態です。
目標や行動計画が表面的にでも共有されると、あいまいではありますが、行動の枠組みができてきます。そういう意味で点線で囲んでいます。「そんなことできっこないじゃないか!」みたいな意見の対立も出てきて、そういう様子から、混乱期という名前がつけられています。
そこでチームが適切に成長することができれば、チームとしてのきまりごとやメンバそれぞれの位置づけ、役割がはっきりしてきて、メンバ全員がほぼ同じ方向を向くことができるようになります。いろいろなことが決まるということから標準期という名前がつけられています。
そして、チームとしての目標を達成することができる達成期を迎えます。準備が整ったので全員が目標達成に向けて本気を出すことができるようになります。

チームがこのように成長していくためには、初期の段階では、「あり方」が重要です。形成期→混乱期と成長していくためには、徹底的に議論をすることが有効です。例えば、安全な場があることが、徹底的な議論の前提です。
標準期まで到達して、いろいろ決めて行こうという段階になったら、どういう仕組みにしたらいいか、どういうシステムを使うかといった「やり方」が有効になってきます。
「とりあえず人集めてきたから、やり方教えてくれ。」みたいなリクエストがたまにありますが、それはムリです。

チームづくりについて、私が参考にしている本の1つに、中原淳さんと田中聡さんの「チームワーキング」という本があります。この本は、学生さんのチーム活動の分析から定量的に評価をしており、納得性が高い内容です。

この本では、タックマンモデルについては、「実験状況における小規模のグループ形成のプロセス」における仮説として提案されたものなので、必ずしも実世界に当てはまるわけではないと言っておられます。
とはいえ、この本でもタックマンモデル自体を否定しているわけではなく、「チームを動かす要諦を「手続き」として捉えること」「チームを「固定的な段階を経て、順を追って発展していくももの」」として見ることが、時代に合わないのではないかということを主張しています。
そこは全く同感です。「ああしたら必ずこうなる」ということがわかるほど、人間は単純ではありません。だから、チームづくりは楽しい。

写真は、香川県の予讃線多度津駅(たどつ)の前にある「少林寺拳法発祥の碑」です。宗道臣さんが、1947年に多度津町で少林寺拳法を創始されたそうです。
駅から、金剛禅総本山少林寺さまの塔が見えます。また、多度津駅は、岡山方面から来た時に、松山方面と高知方面に分岐する駅でもあります。
===誰一人取り残さない===

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