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#030:学習する組織・推論のはしご

兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。

今回は、学習する組織のツールキットのうち、メンタル・モデルのディシプリンで使用される「推論のはしご」を紹介します。

「メンタル・モデルには違いがあり、二人が同じものを見ても、異なる形で記述される。異なる人は異なるところに注目する。メンタル・モデルのディシプリンがもつ役割は、言葉にされなかった前提や態度を表面に出し、人々がお互いの違いや誤解について防衛的な態度を取らずに話をすることだ。」(ピーター・センゲさん、「学習する学校」)

学習する組織の5つのディシプリンの中でも、メンタル・モデルは、ちょっと浮いてるなあと私は感じていました。他の4つは具体的にどうすればわかりますが、メンタル・モデルは活用イメージがわかない。
[5つのディシプリン]
・自己マスタリー
・共有ビジョン
・メンタル・モデル
・チーム学習
・システム思考

しかし、センゲさんはこんな言い方をしています。
「メンタル・モデルに対処することは、一見すれば本当の世界にあまり関わりのない、頭の中の知的エクササイズのように見えるかもしれない。しかし、これは5つのディシプリンの中で最も実践的だ。」
(ピーター・センゲさん、「学習する学校」)

そう言われると、私も考えを変えないといけませんね。
メンタル・モデルに対処するために、学習する組織の中で推奨されているツールの1つが、「推論のはしご」です。

「推論のはしご」、久保隆さんの書き物と「学習する学校」の図を合体

「私たちは、自分でつくり出した信念の世界に生き、その大半は検証されることがない。私たちは自分が観察したものや過去の経験を基に、自分で推論して出した結論に基づいた信念を内面化する。」(ピーター・センゲさん、「学習する学校」)
確かにこのように分解してみると、思い当たる節はあります。

センゲさんは、推論のはしごの考え方を理解した上で、会話の途中に、こんな質問をおりこむことを推奨しています。
・あなたの発言は、どんな事実に基づいていますか。
・その事実について、他の人も同意していますか。
・あなたがこう理由づけた経過を説明してもらえますか。
・その事実から、どのようにこの推測に至ったのですか。

英語からの翻訳なので、言葉が硬く、そのまま言ったら雰囲気悪くなりそうですが、上手に伝えればコミュニケーション改善に効果がありそうです。
さらに、推論のはしごのテンプレートに従って文字にしたらもっと良いでしょう。

写真は、愛媛県の松山空港にある、みかんジュースが出る蛇口。愛媛県の全ての家庭にみかんジュースの蛇口があるんじゃないかと考えるのはどういうメンタル・モデルなのでしょう。
===誰一人取り残さない===

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