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「DESIGN CAMP @奥大和 2018」開催レポート

2018年8月22日(水)〜8月31日(金)、「DESIGN CAMP @奥大和 2018」を開催。

今年度で3年目となる「DESIGN CAMP @奥大和 2018」は、インドネシアで活躍する3名と地元奈良で活動を続ける3名のクリエイターたちがペアになり、2名1組+通訳コーディネーターによって3社の地元事業者に受け入れてもらいました。


参加デザイナー

今回で3年目となったデザインキャンプは、インドネシアからグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、エディター&ライターの3名を招聘しました。

それぞれのプロフィールは、後述するプレゼンテーションのブロックに記載しています。

Fandy Susanto(Indonesia)
Athina Dinda N. Ibrahim(Indonesia)
Diaz Adisastomo(Indonesia)
勝山 浩二Coji Katsuyama
廣瀬 佑子Yuko Hirose
坂本 大祐Daisuke Sakamoto


受け入れ事業者

「ダイワ産業株式会社」、「株式会社春日」、「株式会社桝忠銘木店」の3社です。

ダイワ産業株式会社(奈良県高取町)
株式会社春日(奈良県宇陀市)
株式会社桝忠銘木店(奈良県五條市)


全9日間のプログラム

初日のオリエンテーションを終えると、翌日から「事業者研修/ホームステイ」がスタート。2〜4日目まで、デザイナーはそれぞれが担当する事業者のもとで過ごし、商品や会社、地域のことを深く理解しました。

その3日間の経験を踏まえて、5〜7日目でデザインを制作。
8日目にはその成果を事業者に向けてプレゼンテーションしました。


DAY2〜7を終えて

インドネシアからグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、エディター&ライターの3名を招聘、奥大和地域のクリエイターは全員がグラフィックを中心とするデザイナーたちだったので、専門性の異なるペアの組み合わせにしたところ、想像以上にうまく機能しました。

デザイナー同士の役割分担がより明確になり、アウトプットもより的を得たものになったと思います。

この3年間で、のべ9名のアジアクリエイターを招聘してきました。特にインドネシアからの参加者は計6名となり、奥大和地域の人とつながり、土地を深く理解した人たちが連携しチームができてきました。

継続することによる人のつながりの力が活かせる段階にきたので、次の展開をつくりだしていけたらと考えています。

今回は制作期間に下北山村の「BIYORI」を利用しました。自然環境がとても良い場所での制作活動が、良いクリエイティブにつながっていると思います。

発表会はリハーサルを繰り返し、資料に日本語を入れるようにしたため、短時間でより伝わる内容にできました。

これまでは関係者を中心に場を開いてきましたが、この機会が限られているため、より多くの人達にデザインの力を感じてもらえる機会がつくりたいと思います。


プレゼンテーション①/ダイワ産業株式会社


ダイワ産業株式会社(奈良県高取町)

薬草で有名な高取町で、元々は薬箱の製造からスタート。現在はヒノキ・杉を中心とした国産木材を活かした木製品を製造している。

<デザイナー>
Fandy Susanto

インドネシアのジャカルタ生まれ、シドニーのスウィンバーン大学で学士号を取得。ブランド構築の真の意味を深く注ぎ込む多分野のグラフィックデザインスタジオ、Table Sixを経営。
従来の企業プロジェクトではなく、Table Sixは革新的でクリエイティブなプロジェクトを中心にポートフォリオを作っている。 プロジェクトを完成させる喜びだけではなく、 彼の本当の楽しみは、アイデアが浮かび、実行され、評価され、再評価される「プロセス」の間にある。
現在、以下のようなプロジェクト:Sunset Limited:アート&デザインエンタープライズスカウトユニットのキュレーションとコミュニティベースのアート&デザインスペースの構築に携わっている。

勝山 浩二 / Coji Katsuyama

グラフィックを軸にした広告デザインやWEB、プロダクト、企業ブランディングなどを手がける。地域プロジェクトなどを手がける大阪のデザイン事務所を経て、奈良県奥大和地域にてデザイナーとして活動。これまで培ってきた自身のデザイン&ブランディング能力を使い、奥大和の持つ問題の「内側」へ入り、そしてデザインやブランディングによる問題解決という意識を、奥大和地域という土地で根付かせていきたいと考える。

★プレゼンテーション資料は下記よりご覧いただけます。


プレゼンテーション②/株式会社春日

株式会社春日(奈良県宇陀市)

宇陀市で、鹿革をはじめとする各種皮革製品を製造している。最高品質のものを厳選し、古来の製法を元に最新の技術も用いて手仕事で仕上げる。

<デザイナー>
Athina Dinda N. Ibrahim

若い頃から、文化、人々、そして物語を作ることに興味を持っていた。彼女の様々な芸術分野への好奇心は、ジャカルタにおいて称賛されるアート&デザインスタジオや文化施設への執筆、編集、クリエイティブファシリテーターとして多分野での活動につながっている。
良いストーリー、クリエイティブプロセスやコラボレーション、またその中で見つける様々なことを楽しんでいる。理想はインドネシアの創造的な産業をうまく活用することであり、芸術とデザインの経験を通して幸福度を高めることに情熱を注いでいる。

廣瀬 佑子 / Yuko Hirose

大阪府生まれ育ちの、グラフィックデザイナー。広告制作会社にて経験を積んだ後、吉野町へ移住。住みながら、奈良県の魅力を伝えるデザイナーをしています。お節介なオカンのごとく依頼者にひたすら寄り添い、どんな表現が依頼者にとってベストかを考える手法でデザインをしています。デザイナーが本業ですが衣・食・住をできるだけ自活する野生児でもあり、自分が携わった商品を料理として出す「家庭料理オカン」も実験営業中。世界にとって自然で、正しいものをどう人に伝えるか、また興味のあることを楽しく、仕事にし、生きていくかを模索中。

★プレゼンテーション資料は下記よりご覧いただけます。


プレゼンテーション③/ばあく・泉澤農園

株式会社桝忠銘木店(奈良県五條市)

現在は、奈良県五條市で集成材製造メーカーとして、住宅をはじめ商業施設や公共建築物の木質内装材をオーダーメイドで製造している。

<デザイナー>
Diaz Adisastomo


1989年ジャカルタ生まれ。Institut Teknologi Bandung大学Art and Design学部でプロダクトデザインの学士号を取得した後、ジャカルタに拠点を置く家具デザイン会社の「Karsa」 に製品開発者として入社。その後マーケティング部門の責任者に就任し、さまざまな規模のプロジェクトに携わった。
キャリア前半を通じて得られたユニークなスキルと経験は、さまざまな素材や生産方法についての理解を含め、設計アプローチに影響を与え続けている。
2013年には、デザインした”Common armchair”が、シンガポール家具工業協議会の「Singapore Furniture Design Award」を受賞。
2016年の終わりに、大学生時代の友人二人と一緒に、家具、製品、インテリアデザイン、プロジェクトマネジメントにまたがるデザインスタジオ「GRRAD」を共同設立。

坂本 大祐 / Daisuke Sakamoto

1975年、大阪府生まれ。和歌山県でデザイナーとして活動をスタート。身体を壊したのを機に、2006年、両親が移住していた奈良県・東吉野村へと拠点を移す。移住後は県外の仕事を受けながら、今までの働き方や生活を見直し、自分にとって居心地のいい新たなライフスタイルを模索。ある出会いをきっかけに、奈良県内の仕事が増え,商品やプロジェクトなどの企画立案からディレクションまで手がけるデザイナーとしてさまざまな案件に携わる。2015年3月にオープンした「OFFICECAMP HIGASHIYOSHINO」設立時にも企画からデザイン、運営までを担当。村と外をつなぐパイプ役として、東吉野村を拠点に活動中。

★プレゼンテーション資料は下記よりご覧いただけます。