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2021年 今年ぐいぐい来るであろうタイインディーズバンド 7選

5年ほど前に、アジアのカルチャーシーンの「今」を伝えるシティガイド「HereNow」のバンコク版に、こんな記事を寄稿しました。

タイのおすすめインディーズバンド紹介。アジアの音楽好き必見の5選!
https://www.herenow.city/bangkok/article/indie-music/

このうち、PC 0832/676、Degarudaは残念ながら解散してしまいましたが、Gym and Swim、SAFEPLANET、Moving and Cutについては、当時から人気はあったものの、今や大人気バンドとなりました。タイ国内フェスではもはや常連、海外ツアーもおこなうようになり、その名を日本含めた海外でも轟かすようになりました。

また、2019年には「2019年 アングラの現場を騒がせているタイインディーズバンド 7選」と題し、2019年にグイっと台頭したバンドで、2020年に飛躍するだろうな、と感じたバンドを紹介しました。

このうち、Midnight Childrenは残念ながら解散(超カッコいいバンドだったのに)、H1F4は活動休止(こちらも超カッコよかった)したものの、Beagle Hugは2020年にアルバムリリース(どんなに繰り返し聴いても聴き足りないほど尊く美しい)、DOGWHINEはライブに磨きがかかり「これは来るな」って熱量を発するようになり(2020年は飛躍の年だったのにコロナが邪魔したので2021年に期待)、Soft Pineは2020年も精力的に音源制作をおこないアルバムをリリースし(今のところデジタルのみ)、JANUARYは海外バンドのオープニングアクトや数々のライブで腕を磨きつつアルバムを完成させ(一部のプラットフォームではリリース済み)、Supergoodsは日本のアーティストとコラボ曲制作したりライブがやべ〜勢いですげー盛り上がるレベルに昇華してたり、それぞれがそれぞれ確実に一歩前に進みました。

2020年、コロナ禍は日本でも世界でも、もちろんタイでも大きな影を落としました。タイは経済を犠牲にしながら、コロナ封じ込め施策を強硬に推進したこともあり、2020年の中盤から後半にかけては国内感染者が0の状態がしばらく続きました。7月から12月中旬くらいまではライブ・フェスも頻繁におこなわれ、多くの良い演奏に立ち会うことができました。

さて、やって参りました2021年。2020年にライブを見たり、今年アルバムをリリースするって話を小耳にはさんだり、そういうのを鑑みて「今年、来るだろうな」っていうタイインディーズバンドを紹介します。

Alec Orachi

タイのハニカミ王子「Alec Orachi」。曲を聴けば「あ、これは来るな」ってのがわかってもらえると思います。とにかくクール、そしてほろ苦い。曲調からはイメージできないくらい本人は人懐っこく可愛らしい性格で、会うときはいつもだいたいハニカミ交じり。今年の秋口にはアルバムリリースを予定している、って言ってました。日本のレーベル関係者の方々、今のうちに声がけしておいたほうがいい逸材、ここにいます。


KUNST

あの頃、夢中になって追いかけていたロックを体現する「KUNST」。タイのオルタナティブロックを背負っていくであろう数少ない貴重なニューカマー。楽しそうにライブするから、こっちまで楽しくなるじゃないか。レコーディングを着々と進めているので、今年中旬くらいにはアルバムだせるんじゃないかな。


Soft Pine

ドリームポップを得意としていないボクでもこのバンドだけは別格です「Soft Pine」。なんか耳が引っ張られるギターリフで、どういうことなんだろう、と二度三度と聴いていくうちに、まんまと(勝手に)術中にはまってました。次の音源は方向性を変えていく、ってことだったんで、楽しみに待ってるよ。


Wave and So

ゆるふわインディーポップ「Wave and So」。音源を一聴すると、ああ、ゆるふわだな、って思うんだけど、ライブではベース歪ませてガシガシ弾いてます。こちらも、次のアルバムは方向性変えて臨む、ってことで、ベースの歪みと相まって期待大です。日本でのライブ経験もあり、福岡でおこなわれている音楽カルチャーイベント「FUKUOKA ASIAN PICKS」に出演。東京にはまだ上陸を果たしていないので、コロナが落ち着いたら連れていきたいです。


daynim

灼熱の気候が生み出した清涼系オルタナR&B「daynim」。去年、すでに跳ねてるんだけど、もっと跳ねても良かったバンド。日本でのリリースやライブを望んでいるので、Alec Orachiに引き続き、こちらも、日本のレーベル関係者の方々、いかがですか?今で既に素晴らしいけど、これからさらに良くなるポテンシャルあります、このバンド。


YONLAPA

タイ北部チェンマイの空気を纏ったギターポップ「YONLAPA」。こちらも去年には跳ねてた感あり、フェスでも大きなステージに抜擢されたし、アルバムの出来も素晴らしかったし、日本での音源リリースも果たした(Big Romantic Recordsよりレコード・テープをリリース)。今年1月にタイで所属していたレーベルを離れたので、どこかのレーベルに所属するのか、自分たちでやっていくのか、次の挙動を応援しながら注目してます。


Hariguem Zaboy

もう結構なお兄さんになりました「Hariguem Zaboy」。2ndアルバムまでは轟音シューゲーザーロックだったのが、ここにきて大変革。3rdアルバムではポストハードコアな音質となり、まぁ、とにかくカッコいい。こういうの聴きたかった。以前、すでに2回ほど日本ツアーには行ってるんだけど、今の彼らを見て欲しい。


まとめ (Spotifyプレイリスト付き)

良質な音を奏でるニューカマーが続々と表れつつ、キャリア積んだバンドもその地位に甘んじることなく新しい刃を研鑽してて、健全なシーンだな、と思います、タイインディーズ。日本の皆さんに生で触れて欲しいバンドがいっぱいいるので、日本に連れていって見てもらいたいし、タイに来て見てもらいたいです。
現在、タイではワクチンパスポートについて議題に上るようになってきており、まだ注視しなくてはならないものの、行き来が容易になるよう、具体的な道筋を考え始めています。タイのバンドに、タイの音楽に、直接触れてもらえるその日が、早々に訪れますように。

※Spotifyでプレイリストも作ったんで、こちらでまとめ聞きもお楽しみください。

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dessin the world

日本とアジアのインディーズシーンを支援するためのレーベルです。 「日本の音楽をアジアに。アジアの音楽を日本に。」をコンセプトに、アジア音楽交流のための草の根活動をおこなっています。主に、タイのインディーズ事情について発信していきます。
日本・タイのインディーズバンドによるコンピレーションアルバムのフリーダウンロード「a plan named overlap」、アジアの現場で鳴っている音を共有するためのプレイリスト「Scenario Asia」はこちらから。

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