こどもの予防接種する?しない?子育ていまむかし

我が子は出生から2ヶ月がすぎました。0歳2ヶ月といえば、予防接種(=ワクチン)開始の時期ですね。
我が家は、「原則、予防接種はする」方針です。すでに0歳2ヶ月で接種可能なものは全て済ませました。
定期接種(自己負担なし)はもちろん、任意接種のおたふくかぜワクチンも時がきたら接種する予定です。季節性インフルエンザもするつもりです。

ワクチンについて悩まれているかたは下記のリンクが読みやすいと思います。

Know VPD

コロナワクチンナビ

定期接種、臨時接種については、健康被害救済制度があります。

厚生労働省HP  予防接種健康被害救済制度について

さて、私は予防接種する派の人間ですが、世には副反応被害の報道を受け、予防接種に不安を抱えている方も多数いると認識しています。最近ではコロナワクチン接種後の死亡(因果関係あるなしにかかわらず)、約10年前にはHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)接種後の不随意運動などのニュースがあり、積極的干渉が差し控えとなりました(現在では、専門家の評価により他の定期接種と同様に扱いましょうということになっています)。

ここから個人的な話をしますが、私の母は、予防接種しない派でした。なので、私は幼少期にワクチンをひとつも接種されていません。BCG(俗にいうハンコ注射)の痕もありません。理由を尋ねると、「だって怖かったから」とのことです。

ある時期までは、「もう〜ちゃんと接種しといてよ〜」くらいにしか思っていなかったのですが、MMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合ワクチン)の歴史を知ってから、「まあ、怖がるのも無理ないか」と思うようになりました。MMRワクチンは1980年代に定期接種化され、副反応の無菌性髄膜炎の問題が世間を騒がせるようになり、開始からわずか数年で事実上中止となったワクチンです。現在はMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が定期接種として残り、混合ではないおたふくかぜ単独ワクチンは任意接種となっています。仕事上おたふくかぜワクチンの接種について相談を受けることがありますが、リスクと有用性の両方を伝えて、「わたしが親なら、接種します」と伝えています。

おたふくかぜと無菌性髄膜炎について、国立感染症研究所HPに記事があります。やや難解ですが、要は自然感染のリスクが予防接種後の副反応のリスクに比べて大きいですよ、ということみたいです。

ワクチンの有用性は科学的にはあると言えそうです。でも、私の母の考え方は、「いくらリスクが低くても、ゼロではない。つまり、我が子が予防接種の結果、治療が必要な状態になる可能性が僅かにでもあるなら、予防接種はしたくない。」というものです。この考え方も理解できます。なぜなら、科学は名前の知らない被験者の集団を見ているけど、親の関心は唯一無二の我が子だけに向いているからです。科学にとって100分の1と10000分の1はまったく異なるけど、親にとっては、「自分の子がその1になる可能性があるなら、同じこと」であるというのは十分に共感しうる思いでしょう。
また、予防接種には「よその子が接種してくれたら、自分の子も感染症にかかりにくくなる」という側面もあります。その選択はノーリスクローリターンですが、乳児を育てる親にとって「ノーリスク」の魅力は凄まじいです、本当に。
しかし「よその子頼み」の方針の家庭が集団の中で高い割合を占めてしまうと、受け取るリターンはさらに低くなっていきます。行政や感染症の小児を受け入れる病院としては予防接種率を上げたいのは当然のことです。
とくに麻疹は感染力が鬼のように高く、かつ重い後遺症を残すことがあるので、お仕事で「予防接種しない派」の親御さんに出会ったときはけっこう長々と感染事例をおはなししています。

ただし、コロナワクチンについてはわたしは懐疑的です。
承認の経緯、mRNAワクチンの長期的な予後、(とくに小児の)自然感染リスクとワクチン副反応リスクのバランス、集団接種会場の危機管理体制が不透明であることが主な理由です。

実際に、アナフィラキシーに対し医師も看護師も適切な対処ができなかったと思われる死亡事例が起こってしまいましたよね。

細かいことをいえば、ポイントやイベント参加権をちらつかせたキャンペーンで扇動しているようなやり方に感情的に反発している、という面も正直あります。

とくに「長期的な予後」というのは承認直後には誰にもわかりようがないもので、慎重にならざるを得ないと思います。

最近ではコロナワクチンのニュースが減りましたが、行政はその後の評価をきちんとしてほしいし、市民としてそれを監視し続けたいと思っています。