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さよなら、稲草園

東京・四ツ谷のしんみち通りにたたずむタイ・ラオス料理屋「稲草園」の閉店がついに秒読みに入ったというので、3月末に急きょ、ganasサポーターズクラブの方たちと最後の食事会を開きました。

味、値段ともに抜群の稲草園(食べログのスコアは3.48)。ですがそれ以上に素晴らしいのは、店内に醸し出される「ザ・アジア」の雰囲気。それを演出してくれるのが、配膳を担当する名物のおばちゃん! あの「ほっこりさ」は、東南アジアにはまったことのある人なら「うんうん、あのホッとする感じがアジアだよね! たまらないよね!」とわかっていただけると思います。

稲草園は、知る人ぞ知る、いや熱烈なファンが多い名店。名物のおばちゃんをはじめ、経営するのは、中国雲南省からラオス、そして日本へと渡ってきた華僑の一家。ほっこりの裏にあったたくましさ。どんな人生を歩んできたのだろうと想像するだけで、なんでしょう、自分ももっと頑張らないといけないな、と背中を押してくれるような感覚をもてるのも好きでした。

ganasはいつごろからか、大人数の食事会は稲草園を使うようになりました。その回数はおそらく、2012年の8月の設立から50回以上。コロナ禍の前の忘年会は、稲草園の地下一階を借り切って20数人が集まるのがお決まりでした。ああ、楽しかったなあ。

人生でここまで好きになったレストランはありませんでした。

稲草園を失う感覚はどこか、数年過ごした国を去るときに押し寄せる感情と似ています。今でも思い出します。米国を、タイを、フィリピンを、インドネシアを、ベネズエラを離れたときの寂しくて、「あ~あ、これでついに終わってしまうのか‥‥」という気持ち。

だけどお別れは、次のステージに行くためにあります。ですので稲草園は「ganas第一章」の楽しかった思い出としてとっておき、この春からganasは「第二章」に入ります。目指すはメディアとしてのレベルアップ。稲草園ロスに落ち込まず、チャレンジし続けるganasにご期待ください。

ありがとう、稲草園。

★いつ閉店になるかはわかりませんが、最後にぜひ!

稲草園

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