アトム

マンガ・アニメの想像力

私は本を読むのが好きです。活字の本も好きなのですが、マンガも好きです。

アニメはコンテンツとしてはマンガと近いと思うのですが、マンガではできない「表現」をできるという点でマンガの進化版であると言えると思います。

私が小さい頃にはマンガばかり読んでいると頭が悪くなるとか想像力が欠如するとかいうことを大人によく言われたものですが(流石に今そんなことを言う人は少ないでしょうが)、マンガ、アニメは間違いなく日本が誇るクオリティの高いコンテンツであると思います。それは世界でも日本の文化として人気を博していることからも疑いようがないでしょう。

日本のドラマで「24」であるとか、「glee」のように世界的に人気が出て評価されているものはほとんどありません。映画においても世界的に見て評価されているものはジブリ、ゴジラなど「マンガ的想像力」を持ったものが多い気がします(あと私も大好きな北野武映画)。


たまにアニメが好き、と言うと「オタクやん」と言われることがありますが、最近の日本のドラマを面白いと思って見ている人の方がよっぽどニッチでオタクなのでは、という持論を展開したくなるのを何とか我慢しています。笑

私の好きなアニメの1つに「PSYCHO-PASS サイコパス」という作品があります。AIの発達により、人間のpsychopathy(精神病質のこと、本作品では「犯罪係数」と呼んでいます)や性格、心理状態を計測できる「シビュラシステム」が社会を支配するようになった西暦2112年の日本を舞台としています。

また【能動的三分間】でも紹介しますが、最近読んだ佐藤留美さんの「仕事2.0 〜人生100年時代の変身力〜」という本で書かれている内容を読んだ時に「これはまさにPSYCHO-PASSのことだな」と思いました。ブロックチェーンに自身の経歴が事細かに記録され、それを元にAIが天職を判断してくれるようになるかもしれない、といった話です。

「PSYCHO-PASS サイコパス」には「AIの利活用に対する倫理的な問題」(これはもっと遡れば手塚治虫の鉄腕アトムが主題にしているテーマですよね)、「成熟した社会における生きることの意義」、「正義とは何か、人を裁く基準とは何か」といったテーマがあると思っています(もちろん解釈は人それぞれです)。

アニメやマンガはストーリーや世界観の設定が非現実的なことが多いため、普通の大人にはただの娯楽だ、と一蹴されがちですが、本当に面白い作品にはきちんと「テーマ」があり、観る人に問いかけてきます。

そういった作品は世界観やストーリーの設定が本当に素晴らしい。「PSYCHO-PASS サイコパス」を見ていた時はあくまで「マンガ的想像力」による創作世界の話だと思っていましたが、佐藤留美さんの本によって現実的に起こり得る世界かも知れないなと感じました。

「PSYCHO-PASS サイコパス」「仕事2.0 〜人生100年時代の変身力〜」が読書体験で繋がった。〈夜の世界〉と〈昼の世界〉の区別がつかなくなっていく。そんな感覚を持ちました。


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