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サンフランシスコの異常な日常。


コロナデルタ株、ここカリフォルニア州サンフランシスコでも凄い勢いで拡大しています。
コロナウィルスの変種、デルタ株がカリフォルニア州で出回り始めてすでに数か月経ちました。
サンフランシスコも全ての経済活動をもとに戻したばかりです。
レストラン、ジム、映画館などは現在全面解禁です。
ひとつだけ以前と違っている点は、それらの施設を利用するのにワクチン接種証明の提示が必要になるということ。


自分はこれ、先週初めて経験しました。
パートナーと土曜日の朝、ブレクファストを食べに行ったカフェで、そこのウェイトパーソンに証明を要求されたのです。
このワクチン接種証明カード、半端な大きさで財布のクレジットカード入れに入りません。
僕はスマホで写真を撮ってそれを見せていますが、今のところ問題ないようです。


室内でのマスク着用は、八月の半ばあたりから又、義務化されましたが、
屋外ではマスクを着用せずに生活している人のほうが多いです。
学校も二週間前から開校となり、普通にみんな通っています。
バスなども、時間帯によっては以前の様にぎっしり乗客でいっぱいです。

驚いたのは、オペラやコンサートなどもロックダウン以前の様に開催されはじめたこと。
日曜日にサンフランシスコのオペラプラザの前を通りましたが、大勢の人でごった返していました。


ここまで聞くとなんだかコロナ流行以前に戻って、安全な生活をしているようなイメージですが、実情は全く逆です。

ここベイエリア全体でも、毎日新規感染者の数は増える一方です。
自分は毎朝、最近また Johns Hopkins university のコロナ感染地図で、
地元サンフランシスコの感染者の数をチェックしていますが、7月の半ばあたりから感染者の数が増え始めて、ピーク時の八月はじめの一日平均300人からは減ってきたものの、未だに1日平均ほぼ150人ほどの新規患者が
出ています。


サンフランシスコの人口って100万に満たないです。
こんな小さな街でこれ程の新規感染者、しかも毎日というのはちょっと信じられないペースだと思います。

それにもかかわらず、ロックダウン中に行っていた人と人の間の距離を置く、屋外でのマスク着用を義務付けるなどは、各ビジネスが個別にルールを設定して、行政が強制することはありません。

職場の同僚の子供が通っている学校でも、ほぼ毎週のように陽性反応の子供がでているようです。
自分が病気にかかる、または自分が感染源になるといったことの心配より
個人の自由が最優先です、ここでは。
なんともアメリカ的な対応だと思います。

しかしこのベイエリア周辺の人々の行動はまだ、多少なりともコロナ感染に対して気を付けていますが、中西部、南部辺りはとんでもない状況らしいです。
友人がその地域に住む両親を訪ねてから、サンフランシスに帰ってきましたが、マスクをしていたのは、その僕の友人と、彼の奥さんだけだったと教えてくれました。

最近でもテネシー州で驚く事件がありました。
ある校区でマスク着用義務が決まったのですが、マスク着用に反対の親たちが、医者や看護師を脅したというもの。

A group of anti-mask parents aggressively confronted doctors and nurses leaving a school board meeting in Tennessee night after a school mask mandate just passed, surrounding their cars and threatening them.
“You can leave freely, but we will find you, and we know who you are,” one man says, in video captured by journalist Matt Masters
テネシーのある校区で行われた会議での、マスク着用義務化可決に対して
反対する親たちが、会議に参加していた医者や看護師などの乗っていた車を囲んで脅した、といった内容。

多分マスク着用義務が可決の運びとなったのは、こういった医療関係者のせいだと思ったのではないでしょうか?

脅し文句もなかなか切れてます。

ここからは帰してやるが、すぐ見つけ出してやる、お前らが誰だか知っているぞ。

We will find you.とか I will find you 
こっちの連中よく言いますねこれ。
脅すときの常套句的なのですが、言われる方はあまりいい気持がしません。

しかし流石にこの事件には大統領も憂慮していました。
看護師および医者たちは現在コロナ戦線の最前線で市民全員の為に、
戦っているわけですから。
もしかしたら自分の命を救ってくれることになるかもしれない人々を脅して一体何のメリットがあるのだろうと思います。
アメリカ人の一面がとてもよく現れた事件だと感じました。
とにかく自分が正しいと思った権利を侵されると黙っていないのが、
アメリカ人です。

結局ここサンフランシスコではコロナ感染を抑えることよりも、経済を優先したような印象が強いです。
以前の様にロックダウンを行って経済活動を停止させるよりも、多少の犠牲を払っても、お金の流れを止めてはならないといったところでしょうか。

The show must go on.

アメリカ全土でも同じ様にロックダウンせずに行こうとしているようですが、その結果が吉と出るか凶とでるかは、まだ少し先になりそうです。



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